いまでは伝説の迷機? じゃじゃ馬と評された車3選
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●三菱「ランサーGSRエボリューション」
三菱は1960年代から国内外のラリーに参戦し、好成績を上げていました。その後1980年代になると、世界ラリー選手権(WRC)ではターボエンジン+4WDのマシンが主流となります。
そのため三菱は「ギャラン VR-4」を発売し、WRCへ参戦した結果、複数の優勝を含む成績を残しました。ところがさらに戦闘力の向上を目指し、軽量・コンパクトなマシンへとスイッチすることになり、1992年に初代「ランサーGSRエボリューション」が登場。後に「ランエボI」の愛称で呼ばれました。
グレードは普段使いにも適した装備のGSRエボリューションと、モータースポーツベース車の「RSエボリューション」のふたつを設定し、販売は両車合計で2500台の限定発売でした。しかし、予想以上の反響だったことから最終的には約7600台を販売しました。
ベースとなったモデルは「ランサー1800GSR」で、エンジンはギャラン VR-4に搭載された2リッター直列4気筒「4G63型」ターボエンジンを、さらにチューンナップしたことで最高出力250馬力を発揮。駆動方式はビスカスカップリングとセンターデフを組み合わせた、三菱独自のフルタイム4WDシステムフルタイムが採用されました。
また、ボディは剛性アップが図られるとともに、アルミ製ボンネットなどによる軽量化もおこなわれ、車重は1240kg(GSRエボリューション)を達成し、パワーウエイトレシオはわずか4.96kg/PSを実現。
ハイパワーなエンジンと4WDシステム、軽量な車体と相まって、加速性能は当時の市販車としては驚異的なものでした。
しかし、ランエボIは急造されたことからシャシの熟成が追いついておらず、加速性能は優れていたものの、旋回性能の評価は高くなく、「ハイパワーだけど曲がらないマシン」といわれました。
そのため、後に続くランサーエボリューションシリーズではシャシ性能の向上と、ハイテクを駆使した駆動力制御を進めることになり、ランエボIに対する評価が進化の原動力になったといえます。
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現在、高性能なモデルは、車体の姿勢や駆動力、ブレーキなど、あらゆるところが電子制御化され、安全かつ優れた動力性能と旋回性能を発揮します。
また、タイヤも進化を遂げて、ウエットでもドライでもグリップ力の向上は目覚ましいものがあります。
さらに、ひと昔前の高性能車では乗り心地が犠牲になるのが当然でしたが、現代の高性能車は乗り心地にも妥協がありません。
昔のクルマの方がドライバーの腕が試されたことで、操る楽しさは上という声もありますが、安全面の向上など社会性という点で、現代のクルマは正しい進化といえるでしょう。
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