海外向け車なぜトヨタは成功? 海外人気は同等もホンダ車は国内導入で販売不振に陥る訳

初代モデルの登場以来、同じような経過をたどってきたトヨタ「RAV4」とホンダ「CR-V」ですが、現行モデルでは圧倒的にRAV4が売れています。どちらも海外メインで販売されているモデルですが、国内に導入したときに差が出てしまう理由とはなんなのでしょうか。

現行モデルで明暗分けた? RAV4とCR-Vの違いとは?

 トヨタとホンダのミドルサイズSUVにおいて決定的な違いが出てきた。両社の代表的なトヨタ「RAV4」とホンダ「CR-V」の直近動向をみていきたい。

現行モデルで大差がついたトヨタ「RAV4」とホンダ「CR-V」とは?
現行モデルで大差がついたトヨタ「RAV4」とホンダ「CR-V」とは?

 先代RAV4(4代目)は日本で売れないだろうということから販売しておらず、海外のみで売っていた。

 この状況はホンダも似ており、CR-Vは先代モデル(4代目)を国内導入したものの、売れ行き不振のため途中で販売を止めてしまった。

 先代モデルは、どちらも日本市場についちゃ失敗です。しかし、ともに5代目となる現行モデルを見ると圧倒的な差が付いてしまった。

 2020年(1月から12月)の販売実績を見ると、RAV4は5万4848台を売ったのに対し、CR-Vときたら一桁違う5986台。

 両モデルのメイン市場となるアメリカだと、RAV4の43万台に対しCR-Vが33万台で大差があるものの市場全体で見れば好勝負。トヨタはRAV4をベースに日本市場を意識した「ハリアー(北米名:ヴェンザ)」も作り絶好調です。

 海外市場をメインにして開発したホンダ車の不振はCR-Vに限らない。中国市場向け車の「ジェイド」、アメリカ向けである「シビック」や「アコード」、「インサイト」など、すべて国内販売したものの大失敗となっている。

 ジェイドやシビックなど、本来なら日本で作る予定は無かった。それなのに急遽日本生産にしたため、大きな負担を強いられることになったしまったそうな。

 一方トヨタを見ると、海外市場向けに開発したモデルも日本で好調に売れている。

 2021年3月1日に2021年のヨーロッパCOTY(カー・オブ・ザ・イヤー)が発表されたのだけれど、なんと受賞したのは「ヤリス」です。

 日本車は過去に4回しか受賞していないということからわかる通り、ヤリス(ヤリスクロスも含む)というモデル、本来はヨーロッパ市場を強く意識しています。

 さらに、これから日本発売するというSUVの「カローラクロス」は、2020年7月にタイでワールドプレミアされたのを見てもわかるように、少なくとも日本市場がメインということはないと思う。

 けれど価格次第じゃ日本だって売れることだろう。1台のクルマを開発するコストは同じ。だったら世界中で売れるクルマ作りをしたほうがいいと思うのだが。

【画像】北米向け「CR-V」がカッコイイ!? ほぼ「ハリアー」なトヨタ「ヴェンザ」とは?(36枚)

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