実はかなり手間がかかっていた? こだわった作りの車3選
スカイライン誕生40周年を記念した異端のGT-Rとは
●日産「スカイラインGT-R オーテックバージョン 40thアニバーサリー」
プリンス自動車の前身である富士精密工業から、1957年に初代「スカイライン」が発売されました。
その後、日産とプリンス自動車が合併した後もスカイラインは代を重ね、日産を代表するスポーティなクーペ/セダンというイメージが定着。
そして、1989年に8代目スカイラインをベースとした3代目「R32型 スカイラインGT-R」が登場。国産高性能モデルの頂点に君臨しました。
1995年には4代目のR33型 スカイラインGT-Rが発売され、ボディのサイズアップや、足回り、ブレーキの改良など、正常進化を果たします。
この4代目スカイラインGT-Rをベースに、1998年、スカイライン誕生40周年を記念するモデル「スカイラインGT-R オーテックバージョン 40thアニバーサリー」が登場。
開発と生産はオーテックジャパンが担当し、初代の前期モデル以来となる4ドアセダンのスカイラインGT-Rの復活でした。
生産方法としては2ドアGT-Rのシャシをベースに、4ドアセダンのボディパネルを溶接。さらにブリスターフェンダーを4ドアで再現するために、リアドアとリアフェンダーは新たにプレス型が製作されました。
280馬力を誇る2.6リッター直列6気筒ツインターボ「RB26DETT型」エンジンを含むパワートレインや足まわりは2ドアGT-Rと同じです。
内装も2ドアGT-Rに準じていますが、リアシートは専用のバケットタイプとされ、4ドアセダンながら乗車定員は4名に設定されています。
ほかにもリアウイングは装着されず、フロントスポイラーも小型タイプに変更される、派手すぎない大人のためのスーパーセダンというコンセプトでした。
なお、スカイラインGT-R オーテックバージョン 40thアニバーサリーの生産台数はわずか400台ほどで、当時の販売価格は498万5000円と、内容の割にはバーゲンプライスといえます。
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今回、紹介した3台は国産メーカーが取り組んだ特殊な事例といえますが、フェラーリやロールスロイスなど高級車メーカーでは日常的におこなわれています。
例えば、フェラーリでは顧客のリクエストで世界に1台だけのクルマをつくることも可能です。
しかし、お金さえあれば誰でもつくってもらえるわけではなく、フェラーリにとって特別なお客様でなくてはなりません。
長年にわたってブランドの価値を構築した、フェラーリならではといえるのではないでしょうか。
年間2万台ですと1日70台です。
案外少ないですね。