【猫の日】なぜ多い? 春の「猫の交通事故」 年間30万匹超が犠牲に

屋外の猫は都内に25万匹 「猫の恋」で交通事故リスク増える?

 また、東京都福祉保健局の担当者は猫の飼い主にお願いしたいことのひとつとして猫の身元表示を挙げています。

「隠れた場所に連絡先を記載した首輪をつけてもらうことや、マイクロチップの装着による猫の身元表示を推奨しています。

 万が一、猫が交通事故に遭って施設に収容されたとき、その猫の身元がわかれば飼い主に連絡することができるので、ぜひお願いしたいです。外飼いの猫だけでなく室内飼いの猫の場合でも、家から逃げ出したときや災害時に約に立ちます。

 なお2022年6月から、犬猫等販売業者については取得した犬や猫へのマイクロチップの装着が義務付けられるほか、一般の飼い主に対しても犬や猫へマイクロチップの装着が努力義務となるので、身元が分からない猫の割合は減少すると思われます」

※ ※ ※

 犬と違い、猫には登録制度がないほか、外飼いの猫に加え多くの野良猫が暮らしていることから、屋外にいる猫の正確な数の把握は難しいとされています。

「猫の恋」で交通事故リスク増加の可能性も?
「猫の恋」で交通事故リスク増加の可能性も?

 東京都の事例では、1998年の2月から5月に東京都福祉保健局が全国ではじめて都内の猫の生息数を調査して推計。その後2006年の9月から12月、2011年10月から2012年3月にも調査を実施してきました。

 最新の調査である2017年9月から2018年3月のデータを見ると、室内飼いの猫・外飼いの猫・野良猫をあわせて都内には117万匹の猫がいると推計されていますが、内訳では室内飼いの猫は92万匹で、外飼いの猫は15万匹、野良猫は10万匹とされています。

 すなわち交通事故のリスクにさらされている猫の数は、都内だけでも25万匹いるといえますが、猫に罪はありません。

「猫の恋」が春の季語であることからもわかるように、春から夏にかけての暖かくなる季節は猫の繁殖シーズンであるといわれています。

 前出の東京都福祉保健局担当者も「野良猫が春からの繁殖シーズンで増加することで、交通事故リスクが増えることも懸念されます」と心配の声をあげます。

 自動車関連の企業が取り組んでいる猫の命を守るための取り組みとしては、イエローハットが「全国交通にゃん全運動」を展開しているほか、日産がボンネット内に入り込んだ猫の命を守る「猫バンバンプロジェクト」を推進しています。

 交通事故などで不幸な目に遭う猫が1匹でも減るよう、ドライバーも含め、猫の日をきっかけに考えていくことが重要です。

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1件のコメント

  1. NPO法人 人と動物の共生センターのプレスリリース資料を読みましたが
    「交通事故」とか「ロードキルの被害に遭った」なんて一言も書いてないですよ。
    このNPOが調査・報告したのは「野外で死亡した猫」の数ですね。
    その中には交通事故の被害も含まれるでしょうが「死んだ」数と「殺された」(キル)数では
    まったく意味が違います。
    そもそも「野外で死んだ数」を「ロードキル数」と呼ぶのが不適切。
    さらに「ロードキル」という言葉が一人歩きしたあげく、おかしな勘違いを生んでいるのでは。
    猫の交通事故は少しでも減った方がよいですが、何らかの意図で過剰な「数値」を拡散させようと
    している人か団体に乗せられているんじゃないですか?

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