ヘッドライトのハイ/ロー切替はどう使う? 自動切替も万能では無い理由とは
オートマチックハイビームは安全に機能する?
夜間は法律によりハイビームが義務づけられていますが、道路交通法の第52条第2項では「車両等が、夜間、他の車両等と行き違う場合又は他の車両等の直後を進行する場合において、他の車両等の交通を妨げるおそれがあるときは、車両等の運転者は、政令で定めるところにより、灯火を消し、灯火の光度を減ずる等灯火を操作しなければならない」と定められています。
このように、ほかの車両の通行を妨げる恐れがある場合にはロービームに切り替えることが規定されています。
この法律に違反した場合は、「減光等義務違反」で1点の違反点数と普通車の場合反則金6000円が科されます。
現在の新型車では自動でライトが点灯するオートライト機能が義務化されているほか、ロービーム、ハイビームが自動で切り替えてくれる「オートマチックハイビーム機能」が搭載されているクルマが多く登場しています。
こういった機能は便利ですが、状況によっては手動で切り替えることも大切となります。
JAFでは2019年1月にオートハイビームを装着しているクルマが対向車や歩行者などを幻惑させないかという検証テストをおこなっています。
結果は1秒から3秒という短時間でロービームからハイビームに切り替わりましたが、時速60kmで走行した場合にはすれ違ってから約19mから約58mの間はロービームで進んでしまい、対向車の後方から歩行者が横断してくる場合は注意が必要といえることが分かっています。
また、対向車がある場合にどれくらい手前でハイビームからロービームに切り替わるかというテストでは、対向乗用車の場合は約750m手前、先行乗用車の場合約580mから670mの手前で切り替わったものの、歩行者や自転車に対しては切り替わらないということが分かっています。
このテスト結果から歩行者や自転車を発見次第、ライトを手動で切り替えることが必要になるかもしれません。
ハイビームの使用方法について、前出の神奈川県警の担当者は以下のように話します。
「本来ハイビームは、見通しが悪いときの歩行者や遠くが見えにくいときなどに使います。
ただし、対向車など他車に迷惑がかからないようにしなければなりません。
ハイビームのまま走行しているクルマがいたら、目線を少しずらしたり、自分が進路を変えたりして、眩しくないようにするしかありません。
また、最近ではロービーム、ハイビームが自動で切り替わる機能が搭載しているクルマも登場してきていますが、万能とはいえないようです。
例えば、ガードレールの反射板を照らすとロービームでも光が反射することがあります。
クルマが感知すると対向車と判断するのか、ハイビームに切り替わらないことがあります。
そのため自動切り替えに頼るのではなく、都度自分で確認するクセをつけながらライトを切り替えることも大切です」
※ ※ ※
法律でも定められている通り、夜間はハイビームが原則ですが、交通量が多い市街地に限っては相手を眩惑させないように、ロービームに切り替えが必要になります。
オートライトの機能があってもうまく機能しないこともあるため、道路状況によっては手動で切り替える意識が必要です。
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