戦うことが使命の高性能車! 特別な存在だった2リッターターボ車3選

かつて、モータースポーツに参戦することで、市販車の性能が一気に高くなった時代があります。とくに1980年代にはターボエンジンの普及もあり、ラリーやツーリングカーレースへ多くのメーカーがエントリーし、性能向上とイメージアップを図りました。そこで、モータースポーツ参戦を目的に開発された往年の2リッターターボ車を、3車種ピックアップして紹介します。

レースで育まれた2リッターマシンを振り返る

 トヨタは2017年シーズンから世界ラリー選手権(以下、WRC)に復帰を果たし、ラリーで培った技術をフィードバックすることで、高性能モデルの「GRヤリス」が誕生しました。

 近年は国産メーカーによるモータースポーツ参戦は下火になってしまいましたが、かつては市販車をベースにしたラリーやツーリングカーレースに積極的に参加することで、市販車の高性能化とブランドイメージ向上に貢献。

モータースポーツで勝つことを使命に開発されたマシンたち
モータースポーツで勝つことを使命に開発されたマシンたち

 とくに1980年代はターボエンジンの普及もあり、モータースポーツは市販車の高性能化には欠かせない存在でした。

 そこで、モータースポーツ参戦を目的に開発された往年の2リッターターボ車を、3車種ピックアップして紹介します。

●トヨタ「セリカ GT-FOUR」

映画でも話題となったシリーズ初の高性能4WDモデル「セリカ GT-FOUR」
映画でも話題となったシリーズ初の高性能4WDモデル「セリカ GT-FOUR」

 トヨタ初代「セリカ」は優美なデザインのスペシャリティカーとして1970年に発売。それまで特別な存在だった高性能なDOHCエンジンの普及に貢献しました。

 その後、代を重ね、1985年には当時のトレンドを取り入れて駆動方式がFFとなった、3ドアハッチバックの4代目を発売。

 リトラクタブルヘッドライトと、角を削り取ったようなボリューム感あふれるボディラインが特徴で、トヨタは「流面形」と呼称していました。

 そして1986年には、最高出力185馬力を発揮する2リッター直列4気筒DOHCターボエンジンと、センターデフ式フルタイム4WDシステムを搭載した「セリカ GT-FOUR」が登場。

 足まわりは専用チューニングの前後ストラットを採用し、ブレーキはフロントベンチレーテッドの4輪ディスクが奢られています。

 1988年には「TTE」(トヨタ・チーム・ヨーロッパ)がWRCにセリカ GT-FOURを投入し、1990年には常勝だったランチア「デルタ」を破り、カルロス・サインツが日本車初のドライバーズタイトルを獲得し、性能の高さを証明しました。

 ラリーで活躍したセリカはハイパワーなフルタイム4WD車というイメージが定着し、5代目と6代目にもGT-FOURがラインナップされました。

 なお、GT-FOURの価格は297万6000円(東京価格)で、FFトップグレードの「GT-R」が207万7000円でしたから、かなり高額なモデルだったといえます。

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●三菱「ギャラン VR-4」

動力性能だけでなく乗り心地や使い勝手、デザインも優れていた「ギャラン VR-4」
動力性能だけでなく乗り心地や使い勝手、デザインも優れていた「ギャラン VR-4」

 三菱は1969年に初代「コルトギャラン」を発売。国内外のラリーで活躍するなど、高性能さをアピールしました。

 その後、ラリーには初代「ランサー」や「ランサーEX」で参戦して好成績を残しましたが、グループBで争われるようになったWRCでは、4WDが常勝となったことから、三菱は「スタリオン4WD」を開発。

 しかし、高性能化によるスピードアップから重大な事故が多発したため、グループB自体が消滅。スタリオン4WDは参戦することなくお蔵入りとなってしまいます。

 そして、WRCは市販車をベースにしたグループAで争われるようになり、三菱はターボエンジン+フルタイム4WDシステムを搭載した「ギャラン VR-4」を開発しました。

 エンジンは最高出力205馬力を発揮する直列4気筒DOHCターボで、センターデフとビスカスカップリングを組み合わせたフルタイム4WD、油圧制御の4輪操舵を装備し、加速性能や運動性能はFR車を大きく凌駕。

 さらにマイナーチェンジを繰り返すと段階的にパワーアップが図られ、1990年には240馬力に到達。

 ギャラン VR-4は当初の目的だったWRCでの勝利も獲得し、次世代の「ランサーエボリューション」シリーズへコンセプトが受け継がれていきました。

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