10年前はトヨタ「プリウス」が年間30万台超え! 新車市場は「十年一昔」で大きく変化した?

20年前、30年前は何が売れていた? 1位はやっぱりあのクルマ?

 2010年というとほんの10年前ですが、20年前というと子供が成人する月日が流れています。

 では、2000年ではどのようなモデルが人気だったのでしょうか。

 上位10台は、1位カローラの16万2870台、2位ヴィッツの16万731台、3位トヨタ「エスティマ」の12万2437台、4位ホンダ「オデッセイ」の12万391台、5位トヨタ「ファンカーゴ」の10万6835台、6位トヨタ「クラウン」の10万1000台、7位トヨタ「bB」の8万9926台、8位日産「キューブ」の8万5836台、9位ステップワゴンの7万9270台、10位マツダ「デミオ」の7万7538台です。

 1位のカローラは、1966年に発売された初代モデル以来、33年間も年間販売台数ナンバー1を死守。惜しくも2001年にはフィットに首位の座を奪われたものの、その功績は大きな1台です。

 また、当時は第一次ミニバンブームの最中ともいえ、ミニバン市場を開拓したエスティマやオデッセイが上位、さらにはコンパクトワゴンでもbBやキューブが人気だったことなど、当時は室内空間を重視する傾向があったようです。

 さらには、クラウン(当時は11代目モデル)が6位かつ10万台超えを記録するなど、クラウン人気が今以上に高かったといえます。

トヨタの8代目「クラウン」(写真は4ドアハードトップ、ワイドボディ)
トヨタの8代目「クラウン」(写真は4ドアハードトップ、ワイドボディ)

 では、今から30年以上前となる1990年、昭和から平成に変わり、バブル真っ只中のこの時代にはどのようなモデルが人気だったのでしょうか。

 上位10台では、前述のとおり1位はカローラの30万0008台、2位トヨタ「マークII」の22万4868台、3位クラウンの20万5259台、4位トヨタ「カリーナ」の17万5805台、5位トヨタ「コロナ」の17万2410台、6位日産「サニー」の16万6416台、7位ホンダ「シビック」の14万1107台、8位マツダ「ファミリア」の12万2371台、9位トヨタ「スターレット」の12万1807台、10位トヨタ「スプリンター」の11万5689台となっていました。

 当時はセダン全盛期ともいえ、現在のミニバンやSUVといったジャンルが明確に定義される前ということもあり、セダンやハッチバックが主流となっています。

 当時の販売背景など1980年代から1990年代の国産旧車を専門に扱うバイヤーのB氏は次のように説明しています。

「昭和から平成に変わる頃は各社からさまざまなセダンやその派生モデルが登場していました。

 セダン、ハードトップ、ハッチバック、ワゴン、バンといった派生したボディタイプがほとんどのモデルに設定されていた時代です。

 また、この頃から角張ったデザインから丸みを帯びたデザインへと大きく変わった時代となり、旧車を好む人はまずどちらのデザインが好きかで分かれます。

 一方で海外に出ていくモデルも多いです。アメリカでは通称『25年ルール』によってこの年式のモデルを好むファンによって高値で取引されることもあり、年々価格は高騰しているのも特徴です」

※ ※ ※

 約30年の間に日本の新車市場は時代のトレンドに合わせてデザインやボディタイプ、走行性能、安全性能などを向上させてきました。

 現在では、燃費性能や安全性能には厳格なルールが存在するため、ボディサイズや車両価格が右肩上がりとなっています。

 また、パワートレインにおいても主流だったガソリン車からハイブリッド車に移り変わり、2030年には電気自動車や燃料電池車が主流になるかもしれません。

 国産メーカーの関係者は「世界的な動向や日本政府の方針を見ても電動化かつ脱炭素社会はこの10年で加速するのは確実です。そのときに、現在の国産メーカーがどのような変化を遂げているかによって人気モデルは大きく変わるかもしれません」といいます。

 今後の10年でどのようなモデルが人気を博すのか、そのスタートとなる2021年の新車販売の動向に注目が集まります。

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