「エンツォ」「テスタロッサ」「512BBi」…気になるフェラーリのお値段ハウマッチ?

2021年1月22日、オークションハウス最大手のRMサザビーズ北米本社が開催したオークション「ARIZONA」の結果は、2021年のオークション・マーケットの動向を占う意味でも注目が集まった。今回は出品された数々の名車のなかでも、とくにフェラーリだけに注目して落札結果を見てみよう。

ザ・フェラーリの3台の行方はいかに?

 オークションでの落札価格は、市場での評価の指標となり、日本国内で中古車を買う際にも参考になる。そしてその市場評価の基準となるのが、フェラーリの落札価格であったりする。

 2021年1月22日、クラシックカー/コレクターズカーのオークションハウス最大手のRMサザビーズ北米本社が、アメリカ・アリゾナ州スコッチデールにて開催した大規模オークション「ARIZONA」に、新旧数多くのフェラーリを出品したが、どれほどのプライスだったのかをレポートしよう。

●2003 フェラーリ「エンツォ」

約2億4700万円で継続販売中のフェラーリ「エンツォ」(C)2020 Courtesy of RM Sotheby's
約2億4700万円で継続販売中のフェラーリ「エンツォ」(C)2020 Courtesy of RM Sotheby's

 フェラーリの公道走行可能モデルの最上位に位置するのが、スペチアーレモデルと呼ばれるものだ。一般に市販されているモデルであるが、新車で購入するには、ほかにもフェラーリをコレクションしていなければならないなど、敷居の高いモデルである。

 代表的なスペチアーレとしては、「288GTO」「F40」「ラ フェラーリ」などがあるが、それらすべてコレクションモデルとして、億超えは当たり前となっている。

 オークションに登場したイエローカラーの「エンツォ」は、アメリカ・ノースカロライナ州のカスタマーが最初のオーナーであった。このカスタマーは、ほかにも「512S」、「312P」、「333SP」、「250GT SWB」などの貴重なフェラーリをコレクションしていたので、当然のように新車でエンツォを手に入れることができたのである。

 5300マイル(約8480km)を走行後、このエンツォはセカンドオーナーの手に渡り。現在1万1400マイル(約1万8240km)走行している。

 予想落札価格は225万−250万ドル(邦貨換算約2億3000万円−2億6000万円)であったが、どうやら流札となった模様で、現在235万ドル(邦貨換算約2億4700万円)で継続販売中だ。

●1987 フェラーリ「テスタロッサ・スパイダー by ストラマン」

約1760万円で落札されたフェラーリ「テスタロッサ・スパイダー by ストラマン」(C)2020 Courtesy of RM Sotheby's
約1760万円で落札されたフェラーリ「テスタロッサ・スパイダー by ストラマン」(C)2020 Courtesy of RM Sotheby's

 バブル時代に日本で憧れのフェラーリといえば「F40」と「テスタロッサ」であった。テスタロッサにはカタログモデルとしてスパイダーは存在しないのだが、フェラーリおよびピニンファリーナのオフィシャルとして、1台だけが製作されたとされている。

 故ジャンニ・アニエッリが、フィアット会長就任20周年を記念して特注したスパイダーで、手がけたのはピニンファリーナである。

 オークションに出品されたのは、この由緒正しきスパイダーではなく、1987年型のスタンダード・テスタロッサをベースに、北米ストラマン社がモディファイしたスパイダーである。

 そのため、評価は大きく分かれるところではあるが、エスティメートは12万5000ドル−17万5000ドル(邦貨換算約1300万円−約1815万円)と、やや強気の値付けであった。

 注目された落札価格は、16万8000ドル(邦貨換算約1760万円)と、現在市場に出回っているテスタロッサのもっとも高い価格帯であった。もし、これがピニンファリーナ製の由緒正しい1台であったら、いったいどれくらい高額になるのだろうか。

●1984 フェラーリ「512BBi」

約2400万円で落札されたフェラーリ「512BBi」(C)2020 RM Sothebys
約2400万円で落札されたフェラーリ「512BBi」(C)2020 RM Sothebys

 1970年代のスーパーカーブームのとき、子ども達の間では、「BB派」か「カウンタック派」かに分かれるほど大人気だったフェラーリ「365GT4/BB」。その後「512BB」となり、そのインジェクションモデルの「512BBi」へとマイナーチェンジを経て、1980年代半ばまで生産された。

 ボディ下部がブラックに塗られたツートーンではなく、ボディ同色となっているのも512BBiの外観上の特徴であるだろう。1990年代初頭、渋谷西武百貨店前の駐車スペースに路駐されていたりするなど、テスタロッサとともに、バブリーな象徴として街中でよく目撃されたものだ。

 オークションに登場したのは、この最終モデルに近い1984年の512BBiである。最初にカナダの著名なコレクターの元に渡り、16年間大切にされた履歴が残っている。この間に900万円以上かけて整備されている。

 その後スイスに渡り、さらに100万円ほどかけてメンテナンスが施され、今回の出品となった。走行距離は約2万4200kmの512BBiに付けられたエスティメートは、25万−30万ドル(邦貨換算約2600万−3100万円)であったが、残念ながらその額を下回る23万ドル(邦貨換算約2400万円)であった。同時期の「カウンタックLP5000S」と比べると、若干安い相場のようである。

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