突然の事故で相手方とトラブル発生! 任意保険の「弁護士費用特約」で解決出来る?

交通事故を弁護士に任せるメリットとは?

 交通事故を弁護士に任せるメリットとして、弁護士にしかできない慰謝料の増額が挙げられます。

 慰謝料の算定基準は3種類あり、自賠責保険で定められた「自賠責基準」、各保険会社が独自に設定した「任意保険基準」、日弁連交通事故相談センターが定める「弁護士基準」といわれています。

 弁護士に依頼することで、もっとも高額な「弁護士基準」で主張することができ、相手方が了承すればその算定基準で示談することも可能です。

 相手方が認めない場合は裁判になりますが、弁護士費用特約に裁判費用が含まれていることが多く、基本的には実費は発生しないといいます。

 実際に弁護士費用特約を使ったことがある愛知県のある男性は以下のように話します。

「相手方に過失がある事故で、十分な治療を施しても肩が上がらなくなってしまうという後遺症が残ってしまい、医師と相談しながら後遺障害の申請をおこない12級の認定がおりました。

 相手方の保険会社の提示金額は120万円でしたが、弁護士基準で算定した金額で交渉をしたところ、290万円の支給がありました。

 弁護士に依頼していないと200万円近く損をしていた可能性を考えると、弁護士費用特約を付帯していたコストは安いと思います」

任意保険は使用すると翌年の保険等級や金額が上がることが多い。
任意保険は使用すると翌年の保険等級や金額が上がることが多い。

 一方で、弁護士費用特約の注意点について、前出の弁護士は以下のように説明します。

「いくら弁護士が入って裁判に勝っても、資産や収入がない相手からはお金を取ることができません。判決が出た後に差し押さえをするなどして回収することになります。

 ちなみに差し押さえできる財産としては、銀行預金や給与が一般的です。

 事故の際、相手が任意保険などに加入していないことが分かった場合は勤務先を聞いておくと取り逃しを防ぐことができます」

※ ※ ※

 弁護士といえども、現場での一時対応に失敗すると回収できるものも回収できないこともあるので、弁護士費用特約があるからと油断はできません。

 事故に遭った際にパニックにならないように、日ごろから事故に遭った際の流れや確認するべきことを意識して、事故に遭った際にしっかり保険会社に電話して指示を仰ぐようにしましょう。

 常に安全運転を心がけていても、クルマを運転している限り、常に事故のリスクが付きまといます。

 弁護士基準の慰謝料算定や、過失ゼロの際の交渉窓口となるなど、任意保険に入っていてもカバーできない部分がある以上は弁護士費用特約を付帯したほうが賢い選択といえるでしょう。

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