通算8万台突破! ベントレー「コンチネンタルGT」が世界のセレブに愛される理由とは

セレブに愛される、全天候型超高速グランドツアラーとは

 2003年に登場した初代コンチネンタルGTは、それまでのベントレーの常識をことごとく破る「マイルストーン」というべき存在だった。

●本格スーパーカーへの仲間入り

「Rタイプ・コンチネンタル」の系譜を受け継ぐ、歴代「コンチネンタルGT」
「Rタイプ・コンチネンタル」の系譜を受け継ぐ、歴代「コンチネンタルGT」

 その販売価格はロールス・ロイス傘下時代のベントレー製クーペ「コンチネンタルR」および「コンチネンタルT」の約半分に相当する比較的安価なものであった。

 しかし、560psに達するW12ツインターボエンジンを高度な4WDシステムと組み合わせたことで得られた300km/h超級の最高速度に代表されるパフォーマンス、4WDによる異次元的ロードホールディングとスタビリティなど、それまでのベントレーとは一線を画したモデルとなっていた。

 どちらかといえば、クラフトマンシップによる豪華なエクステリア/インテリアが最大の売り物だった時代のベントレーには望むべくもなかった、本格派スーパーカーとしての実力を手に入れていたのだ。

 また、カタログなどメーカー発行のオフィシャルドキュメントにもそのシルエットが大きく描かれているのでご存知の人も多いかもしれないが、歴代のコンチネンタルGTには精神的なモチーフになった偉大な祖先がある。

 それは、往年のベントレーが1952年から3年のみ製作した伝説のスポーツクーペ、コンチネンタルGTが登場するまではベントレーの最高傑作ともいわれていた「Rタイプ・コンチネンタル」である。

 初代コンチネンタルGTのデザインを手がけたベントレーのデザインチームは、なだらかなスロープを描くファストバックのテールラインやマッシブなフロントフェンダー、キックアップしたリアフェンダーなど、かつてRタイプ・コンチネンタルを特徴づけていたボディラインを巧みに引用、みごと21世紀のクーペとして結実させた。

 もちろん、これらの輝くような魅力を世界の裕福なエンスージャストたちが放っておくはずもなく、最初の1台が正式デリバリーされる8か月も前の段階で3000台以上の予約オーダーが殺到するなど、デビュー当初から全世界で大きな成功を得るに至ったのだ。

●歴代のコンチネンタルGTに共通するキャラクターとは?

 2011年に代替わりした2代目では、シャシのアーキテクチャーを初代から踏襲しつつも、「スーパーフォーミング工法」でより自由なデザインがおこなえるようになったアルミ製ボディパネルを採用するなど、初代以来のキャラクターを強力にアピール。

 また、この代で初めて選択可能となったV8ツインターボエンジン搭載モデルが、さらなるヒットを生み出すことになった。

 そして2017年にデビューした3代目では、新たなアーキテクチャーの採用により、走行性能とスタイリングの双方でジャンプアップ。FR基調の4WDとなったことで、さらに洗練されたハンドリングを披露するようになる。

 さらに、昔ながらのベントレーの伝統である職人技のコーチワークも、ビスポーク部門「マリナー」とのコラボでさらなる高みに到達している。

 3世代すべてのコンチネンタルGTに一貫していたのは、ベントレーがRタイプ・コンチネンタル以来、長らく身上としてきた「モダンでラグジュアリーなグランドツアラー」というキャラクターであろう。

 加えて、初代から大出力のエンジンに4WDシステムを組み合わせることによって、自らが世界のパイオニアとして「全天候型の超高速グランドツアラー」ともいうべき新たなカテゴリーを確立したことも見逃せない。現代ベントレーの快進撃を決定づける名作と評されるのも無理はない。

* * *

 そしてデビューから18年後となった現在、初代の1台目の製作にも関わっていたという多くの熟練したアルチザン(職人)たちの手によって、ついに8万台目となるコンチネンタルGTが製作されることになった。

 ちなみに、今やカーボンニュートラルとなったクルー本社ファクトリーにおいて、オーダーメイドで作られた記念すべき8万台目のコンチネンタルGTは、右ハンドルの「コンチネンタルGT V8」であった。華やかな「オレンジフレーム」のボディカラーに、グリルやモール類をダークティント仕上げとした、いかにもコンテンポラリーな雰囲気のクーペである。

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