ポルシェ「928」とマクラーレン「F1」がひとつになった!? 「イズデラ」とはどんなスーパーカー?
最高速340km/h! バブルさえ弾けなければ未来はあった!?
今回VAGUEで注目した「コメンダドーレ112i」は、インペレーター108iの後継車となるイズデラの野心作だ。
●1993 イズデラ「コメンダドーレ112i」
エクステリアデザインは、インペレーター108iと同様に丸みを帯びた流麗なもので、それが優れたエアロダイナミクスを持つことは、見た目にも簡単に想像できるところであろう。
側面からは、キャビンがかなり前方に位置しているように見えるが、これはインペレーター108iと同様に、リアミッドに長大なメルセデスベンツ製の6リッターV型12気筒エンジンを搭載していることと、リアセクションにおいてのエアロダイナミクスを考慮したデザインを施した結果である。
最高出力は400ps。トランスミッションにRUF製の6速MTを組み合わせるのも、インペレーター108iと同様で、駆動輪はもちろん後輪のみだ。
わずか0.306というCd値の恩恵で、最高速は340km/hを達成したという。
イズデラは、このコメンダトーレ112iを1993年のル・マン24時間レースにエントリーしようと考えていたが、残念ながらこの年は、世界的な経済不況の渦中であった。
そのため、十分な資金を調達することができず、シュルツはその夢を諦めなければならなかった。
実際に生産されたコメンダトーレ112iは、1993年製のこの1台のみである。1993年といえば、マクラーレン「F1」が誕生した年であり、1991年からブガッティ「EB110」も販売されていた。スタイリングが似通っているように見えてしまうのは、1990年前後のデザイントレンドを取り入れていたためだろう。
イズデラは2018年の北京モーターショーで新型車を発表しているが、このワンオフモデルであるコメンダトーレ112iのオークション・マーケットでの評価は、イズデラというブランドが現在どのように評価されているのかを占う試金石ともいえるだろう。落札価格に注目である。
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