なぜカーシェアでディーラー車に乗れる? コロナ禍による新たな取り組みとは
昨今、新たなクルマとの接点として若年層を始めとするユーザーから支持されているカーシェアリング。なかには、個人間での貸し借りをおこなうサービスもありますが、その個人間カーシェアリングで正規ディーラーの試乗車に乗れるプランが存在します。なぜ正規ディーラーの試乗車に乗れるのでしょうか。
なぜ個人間カーシェアリングで正規ディーラーの試乗車が借りられるのか。
個人間カーシェアリング(カーシェア)サービスで知られる「エニカ」には、なぜか正規ディーラーの試乗車を試乗できるプランがあります。なぜこのようなプランを設けているのでしょうか。

エニカの個人間でのカーシェアサービスは、スポーツカーやクラシックカー問わず多彩なクルマを、リーズナブルな価格で借りることができます。
個人のクルマを使っていない時間にカーシェアでき、オーナーは駐車場に眠っているマイカーをシェアすることで維持費が軽減されるメリットがあります。
2020年8月の時点では、累計登録台数は1万6000台以上、車種は7500車種以上となっており登録会員数は35万人を誇ります。
そんな個人間での貸し借りがメインとなるカーシェアで「ディーラー試乗車プラン」が存在します。
これは、自動車メーカーの正規ディーラーが所有する試乗車をカーシェアとして借りられるサービスです。
このサービスは、新たな枠組みとして2019年11月から2021年3月までの実証実験となっています。
現在では、BMWやフォルクスワーゲン、アウディ、ボルボ、ジャガー、ジープといった輸入車ブランドを中心に50台以上のクルマがシェア用として登録されています。
ディーラー試乗車プランについて、エニカの広報担当者は以下のように説明します。
「このサービスは、新型コロナ禍で『法人所有の車両におけるカーシェア活用モデル例』のひとつとして実証実験を始めました。
ディーラーでは遊休資産としてのクルマがあり、有効活用したいというニーズに加え、新しいお客さまとの接点を作る機会としても利用してもらっています。
2020年7月からディーラーでの採用がはじまり、これまでにない新しい取り組みとして注目を受け、現在はディーラーからの問い合わせも増えています。
ディーラーにとっては、新車をお客さまに体験してもらう手段として、試乗という機会しかなく、短時間運転だけでその良さを伝えるのが難しいといった声がありました。
ですがこのプランを始めたことにより、試乗と違って1日じっくりと運転ができ、よりクルマの良さが伝わり、ユーザーからもご好評をいただいています。
ユーザーからは、『クルマが非常にきれいで新車の醍醐味を楽しめた』『買わないのにディーラーに行くのは躊躇していたが、丁寧に対応してもらえて嬉しかった』『やり取りもスムーズでぜひ今後も利用したい』といった声があがっています」
また、実際にエニカに参入しているアウディの広報担当者は以下のように話します。
「レンタカーを借りる感覚で利用する人が非常に多いです。
旅行で良いクルマに乗りたい、クルマに乗りたいけど駐車場がない、実際に購入を検討していて乗り心地を試したいという人がなどさまざまです。
弊社では、クルマが空いた時間に貸し出しをしているので、その分金額も非常に安価で設定しています」
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2020年は新型コロナウィルスによる影響で、ディーラーが短縮営業を余儀なくされたことや来店数の減少など、販促活動が存分におこなえず新車販売が低迷していたといいます。
その際に、個人間カーシェアによる試乗車の活用は、新たな新規ユーザーとの接点になったほか、ユーザーとしてもレンタカーなどで借りるよりも安価に乗ることが出来るなど、双方にメリットのある取り組みといえそうです。
Writer: Peacock Blue K.K.
東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。































