まさにバブルだから誕生した!? 美しすぎるビッグサイズクーペ3選
2000年代になると急激に数を減らしたのが国産2ドアクーペです。ユーザーニーズの変化によるもので、ある意味避けられないことでしたが、一方で、大型かつ高額な2ドアクーペは一定のニーズがあり、今も健在です。大型の2ドアクーペは昭和の時代から存在し、パーソナルカーとして人気を保っています。そこで、バブル期に誕生した、美しい国産ビッグサイズクーペを3車種ピックアップして紹介します。
かつて隆盛を誇っていた頃のビッグサイズクーペを振り返る
クルマに対するニーズは時代によって変化するもので、かつてヒットしたジャンルのモデルでも淘汰されてしまうことは、珍しくありません。その一例として減少が顕著なのが、2ドアクーペではないでしょうか。
昭和の時代、国内の自動車市場では、2ドアクーペというと若者が初めて乗るクルマとして人気があり、高額なモデルはパーソナルカーとしても隆盛を誇っていました。
しかし、2000年代になるとユーザーニーズの変化から急激に人気がなくなり、激減してしまいます。一方で、大型かつ高額な2ドアクーペは今もニーズがあり、国内外のメーカーがラインナップしています。
そんな大型2ドアクーペが日本で全盛期を迎えたのは、昭和の終わりから平成初期です。そこで、バブル期に誕生した、国産ビッグサイズクーペを3車種ピックアップして紹介します。
●ユーノス「コスモ」
マツダは、1967年に世界初の量産ロータリーエンジン搭載車の「コスモスポーツ」を発売。パワフルでスムーズに回転するロータリーエンジンは、その後スポーツユニットとしてさまざまな車種に搭載されました。
このロータリーエンジンの性能を究極まで突き詰めて搭載したのが、1990年に登場した4代目となるユーノス「コスモ」です。
ロータリーエンジン専用車として開発されたコスモは全長4815mm×全幅1795mm×全高1305mmの堂々としたサイズで、このワイド&ローなボディは美しいとさえ評されました。
トップグレードは最高出力280馬力を発揮する、世界初の3ローターシーケンシャルツインターボエンジンを搭載し、圧倒的なパフォーマンスを誇りました。スタンダードグレードでも、2ローター・シーケンシャルツインターボを搭載し、最高出力は230馬力を発揮。
また3ローター車では高級本革シートやウッドパネルのインパネ、イグニッションをONにすると浮かび上がるイルミネーションメーターや、「CCS」と呼称された世界初のGPSカーナビゲーションを搭載(グレードにより設定)し、カーナビディスプレイでオートエアコンの操作ができるなど、当時としては先進的かつ豪華な装備が満載でした。
コスモは、まさにブル景気絶頂期だからこそ誕生したクルマといえ、バブル崩壊後は急激に販売状況が悪化。1996年に生産を終えましたが、いまも美しいスタイルと極悪だった燃費は語り草になっています。
●ホンダ「レジェンドクーペ」
ホンダは1986年に、北米で展開する高級車ブランドの「アキュラ」を他メーカーに先駆けて展開。このアキュラでの販売を主眼に開発されたのが、フラッグシップセダンの「レジェンド」です。
そして、セダンが登場してから2年後の1987年には、専用の2.7リッターV型6気筒エンジンを搭載する大型クーペの「レジェンド ハードトップ」が追加ラインナップされました。
その後、1990年にセダンが2代目にモデルチェンジし、1991年には同じく2代目となる「レジェンドクーペ」が登場しています。
全長4880mm×全幅1810mm×全高1370mmというフラッグシップにふさわしいボディサイズで、個性際立つスタイリングは伸びやかで美しいフォルムを実現。
エンジンは最高出力215馬力を発揮する3.2リッターV型6気筒自然吸気を搭載し、クーペ専用のチューニングが施された新開発の4輪ダブルウィッシュボーンサスペンションと相まって、上質な走りと高い運動性能を獲得しています。
また、安全装備も充実しており、「A.L.B.(アンチロックブレーキシステム)」、「TCS(トラクションコントロールシステム)」、運転席助手席エアバッグシステムなどが標準装備されていました。
内装もセダンに比べてホールド性を重視したシートの採用などにより、高級感だけでなくクーペとしてのスポーティさあふれるモデルとなっています。
しかし、1996年にレジェンドは3代目にモデルチェンジするとクーペが廃止となり、その後はセダンのみのラインナップで展開されました。
日産のレパードが無いじゃないか!