スポーツカーから国産コンパクトまで! 令和3年 新車で買える「運転がうまくなるクルマ」5選

クルマの運転には「走る」「曲がる」「止まる」があり、それらをドライバーの意思どおりに制御することが求められる。ドライバーの意のままに反応するクルマが「運転がうまくなるクルマ」といえる。いま日本で新車購入できるもののなかで、運転がうまくなるクルマはどんなものがあるのだろうか。

アクセル操作でも「曲がる」を実現するのが 運転が上手くなるクルマ

 クルマの運転とは、「走る」「曲がる」「止まる」をドライバーの意思どおりに制御することだ。

「走る」はアクセルペダル操作、「曲がる」はハンドル操作、「止まる」はブレーキペダル操作。この3つは教習所で教わっているはずなので、誰でもわかるだろう。

 さて今回のテーマである「運転がうまくなるクルマ」選ぶにあたって、「曲がる」のパートをハンドルだけでなく、アクセル操作でもできることを条件にした。

ドライバーの意思どおりに動き、アクセル操作にもハンドル操作にも素直なクルマ。輸入スポーツカーだけでなく、国産のライトウエイトスポーツカーや国産コンパクトEVにもそんなモデルが存在する
ドライバーの意思どおりに動き、アクセル操作にもハンドル操作にも素直なクルマ。輸入スポーツカーだけでなく、国産のライトウエイトスポーツカーや国産コンパクトEVにもそんなモデルが存在する

 アクセルで曲がる、なんて意味がわからない人も多いと思うが、クルマは同じハンドル角をキープしながらカーブを曲がっていても、アクセルペダルの踏み込み量によってその曲がり方が変わる。スピードが異なれば曲がり方も違うだろう、ということではなく、同じスピードでもアクセルを踏み加速しながら曲がっていくか、戻して減速しながら曲がっていくかによっても変わるものなのだ。

 これは物理の法則だが、加速しているときは後輪の荷重が増える。反対に減速しているときは前輪荷重が増える。タイヤのグリップ力(摩擦力)は、上からかかってくる荷重によって変化する。通常の領域だと、荷重が増えればグリップ力も増える。

 カーブで加速していくと後輪のグリップ力が増し、前輪のグリップ力が減るからアンダーステア(外にふくらむ)になる。反対にアクセルペダルを戻して減速しながらだと前輪のグリップ力が増えてハンドルが効いて良く曲がるようになる。

 今回選んだ「運転がうまくなるクルマ」5台は、すべて後輪駆動だ。そのバリエーションの中には4輪駆動も用意するモデルがあるが、その基本は後輪駆動のクルマである。

 前輪駆動のクルマでも、アクセルの踏み方とコーナリングの関係は後輪駆動車と同じように起きる。ときには後輪駆動より強く起こるケースもある。それは単に前後の荷重移動だけでなく、タイヤの摩擦円が絡んだ話になる。

 ちょっと難しい話をさせてもらう。タイヤのグリップ力には限界があり、それを前後方向(アクセルとブレーキ)と横方向(ハンドル)のふたつの方向で分けて使っている。その両方をいっぺんに使おうとすると、限界に達しやすくなりタイヤが滑ってしまう。

 カーブを曲がりながら(横方向のグリップ)、アクセルペダルを踏み込む(前方向のグリップ)を使うと、タイヤの摩擦円の原理によって前輪の曲がるためのグリップ力が弱くなり、アンダーステアが強く出てしまうのだ。

 それなら前輪駆動と後輪駆動は同じじゃないかと思うかもしれないが、もうちょっと高等なテクニックを使おうとしたときに、後輪駆動のメリットが現われる。

 それはカーブの入り口で減速のためのブレーキをかけ、ある程度クルマのスピードが落ちたところでブレーキペダルを戻しながらハンドルを切っていき、アクセルオフのままターンインの状態になってからのこと。

 クルマ自身が曲がろうという姿勢になったあとにアクセルペダルを踏み込んでいくと、アンダーステアは強くならずに加速していく。ここが後輪駆動の美味しいところだ。加速することによって後輪の荷重が増えグリップ力も増すが、その分をアクセルペダルを踏んで加速する力に使うことができるのだ。前輪のグリップ力が減ったとしても横のグリップ力にしか使わないから、余力があるのだ。

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