ホンダ“世界初”の「新型エンジン」を実機展示! 「電動過給機×V型3気筒エンジン」がスゴイ! 「NR/CXターボ」に続く“変わり種”の系譜か?
ホンダが世界で初めて二輪車に電動過給機を搭載したV型3気筒エンジンを公開!その狙いや特徴とはどのようなものなのでしょうか。
過去にも挑戦の歴史あり?ホンダの“変わり種エンジン”たち
2025年3月28日、ホンダは東京ビッグサイト(東京都江東区)で開幕した「第52回 東京モーターサイクルショー」にて、世界で初めて二輪車に電動過給機を搭載したV型3気筒エンジンを展示しました。

この新型エンジンは、2024年11月にイタリア・ミラノで行われた「EICMA 2024(ミラノショー)」にて初公開されたコンセプトモデルに搭載されたもので、水冷75度のV型3気筒レイアウトと、モーター駆動の電動過給機という、二輪車では前例のない構成を採用しています。
スリムかつコンパクトなパッケージを追求しつつ、任意に過給圧をコントロールできるシステムにより、低回転域から高いレスポンスと力強いトルク特性を実現しています。
また、電動過給機の採用により、従来必要だったインタークーラーが不要となり、マスの集中化と軽量化にも寄与。車体レイアウトの自由度が高まることで、さまざまなタイプの二輪車への応用も期待されています。
ホンダはこのエンジンを、内燃機関分野における新たなチャレンジと位置づけ、今後は同社のFUNモデルへの展開、そして量産化に向けた開発を継続していくとしています。
このような先進的な試みは、ホンダが過去にも挑んできた“変わり種エンジン”の系譜の延長線上にあると言えるでしょう。
たとえば、1992年に登場した「NR750」は、V型4気筒ながら楕円ピストンを採用し、1気筒8バルブ・合計32バルブという驚異的な構成を持っていました。この楕円ピストンは、事実上のV8に近い燃焼効率と高回転性能を狙ったもので、レース由来の技術を市販車に落とし込んだ代表的なモデルとして知られています。
1980年代には「CX500」「CX650」シリーズにて、水冷縦置きV型2気筒+シャフトドライブという独自構成を採用。さらにその派生モデルとして「CX500ターボ」「CX650ターボ」では、世界初となるターボチャージャー付き量産バイクを発表しました。これらのモデルは電子制御燃料噴射や過給制御など、四輪技術の先進的な応用例でもありました。
さらに、1960年代のGPマシン「RC166」では、250ccという小排気量ながら並列6気筒という常識を超えたエンジンレイアウトを採用。超高回転型で当時のレースシーンを席巻したその姿は、ホンダが技術的制約に挑み続ける企業であることを象徴していました。
比較的最近の例としては、2000年代に登場した「DN-01」が挙げられます。オートマチック変速機「HFT(Human Friendly Transmission)」を搭載し、スクーターとスポーツバイクの中間という新しいカテゴリを提案したこのモデルも、既成概念にとらわれない開発姿勢の表れでした。
こうした歴代の技術挑戦を振り返ると、今回のV型3気筒+電動過給機エンジンも、まさにホンダらしい“常識外れ”の延長線上にあることがわかります。ホンダは「モーターサイクルを操る楽しさ、所有する喜びをより一層体感いただくこと」を目指してこのエンジンを開発しており、今後のFUNモデルへの搭載も示唆しています。
東京モーターサイクルショー2025での実機展示により、その存在は広く注目を集めることとなりました。具体的な市販化や搭載車種については未定ですが、かつてのNRやCXターボのように、ホンダの技術力を象徴するフラッグシップとして登場する日も遠くないかもしれません。
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