レース直系のNISMOと上質なAUTECH 日産「リーフ」のカスタムカーの魅力とは

NISMOとAUTECH チューニングとバッテリー容量に違いが!

 メカニズムに関してはどうでしょうか。

 リーフ NISMOは専用VCM(加速度&レスポンスアップ)、専用ブレーキチューニング(液圧コントロール性アップ)、専用ステアリング(ギア比14.3)、専用サスペンション(スプリング/ショックアブソーバー/リアバンプストッパー)、専用VDC制御、225/45R18サイズのコンチネンタル・スポーツコンタクト5の採用など、変更部位は多岐に渡ります。

左:リーフ AUTECH/右:リーフ NISMO
左:リーフ AUTECH/右:リーフ NISMO

 もともと持つ重量バランスの良さと低重心に加えて、操舵量の圧倒的に少なさと4輪を上手に使ったセットアップにより、FF駆動ながらアンダーステア知らずのキレの良いハンドリングと安心感を両立した走りに仕上がっています。

 乗り心地はノーマルよりは硬めですが雑味のない乗り味で、速度が上げるにつれてフラット感やしなやかさが増す印象でした。

 ちなみにリーフ AUTECHはメカニズムに関する変更はありませんが、リーフ NISMOには設定の無い62kWh仕様の「リーフe+ AUTECH」がセレクト可能です。

 余談ですが、リーフ NISMOは大容量バッテリー搭載による重量増がハンドリングに影響するという判断から、大容量バッテリー仕様を選択しなかったと聞きます。

 それをいうならば、大容量バッテリーの採用で航続距離に余裕があるリーフe+ AUTECHには、グランドツーリング性能を更に引き上げるための専用セットアップのラインナップの追加を期待したいところです。

 ちなみにリーフ NISMOの2018モデル(改良前)は、NISMOのイメージからするとやや甘口な印象でしたが、クルマとしてはハンドリングと快適性のバランスは非常に優れていたので、それをベースにAUTECHらしい味付けをしてみてもよさそうです。

※ ※ ※

 NISMOとAUTECHのどちらを選ぶかは好みによりますが、どちらもそれぞれのコンセプトに見合ったキャラクターに仕上がっているので、迷うことはないでしょう。

 ただ、両車ともに長年ファクトリーカスタムを手掛けてきた「オーテックジャパン」が手掛けたこだわりのモデルであることは間違いありません。

 内容を考えれば価格もリーズナブルな設定なのも嬉しいポイントのひとつ。リーフ NISMOは429万4400円、リーフ AUTECHは409万4200円から468万6000円です(消費税込)。

 プラスαの魅力を備えた身近なスペシャルモデルを選ぶことで、その後のカーライフはもっと楽しくなると思います。

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Writer: 山本シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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