なぜ少数派の「青」が人気色になった? 日産カスタムカー「AUTECH」が青にこだわる訳とは
日産のカスタムカーブランドである「AUTECH(オーテック)」では、内外装に青が取り入れられているのが特徴です。購入者の半数以上が青いボディカラーを選んでいるのですが、それはなぜなのでしょうか。
青にこだわる日産のカスタムカー「AUTECH」とは?
国内外の自動車メーカーは、ラインナップのすべてを自社で開発・製造しているわけではなく、子会社や関連会社に委託することがあります。
トヨタなら「モデリスタ」や「TRD」を展開するトヨタカスタマイジング&ディベロップメント、ホンダならホンダアクセスや無限(M-TEC)といった関連会社が車両開発を請け負っていますが、日産ではオーテックジャパンがその役割を担っています。
日産の関連会社であるオーテックジャパンは、日産車をベースとした特装車や福祉車両(ライフケアビークル)、カスタムカーなどを手掛けています。
カスタムカーのブランドとして、2018年1月に新に立ち上げられた「AUTECH(オーテック)」ブランドではさまざまなモデルを展開。
「セレナAUTECH」を皮切りに、「ノートAUTECH」「エクストレイルAUTECH」「リーフAUTECH」「ルークスAUTECH」「エルグランドAUTECH」が設定され、さらに「キックスAUTECH」が追加されるなど、徐々にラインナップを拡大しています。
AUTECHブランドは、カスタムカー作りから蓄積したクラフトマンシップを注入した「プレミアムスポーティ」をコンセプトとし、デザインや走り、質感にこだわって、商品を開発。
大きな特徴となるのが、ブルーのアイコニックカラーです。AUTECHブランドがブルーにこだわる理由とは、どのようなことなのでしょうか。
オーテックジャパンの創業の地である神奈川県茅ケ崎市は、相模湾沿いに広がる「湘南」と呼ばれるエリアです。
サーフィンなどのマリンスポーツも盛んで、海を中心に観光スポットが点在していることから、多くの人が訪れる人気のエリアとなっていいます。
そんな湘南を拠点とするオーテックジャパンがクルマ作りに取り入れたのが、海と空の青です。
AUTECHブランドの内外装には「オーテックブルー」と呼ばれる青いカラーや、海をイメージしたモチーフが存分にちりばめられています。
ボディカラーは、湘南の海からインスパイアを受けたブルーを設定。カラーパネルを実際に海へ持っていき、海の青とパネルを見比べて検証しながら、どのブルーにするか決めているというのです。
オーテックジャパンのデザイナーは、「普通の自動車開発ではやらないような、一見ムダに見えるようなことですが、デザイナーのこだわりでいかにオーテックブルーの定義をしっかりして、自分たちで吟味しながら決定しています」とブルーに込める想いを語っています。
オーテックブルーというと、特定のブルーのボディカラーを指しているように思われるかもしれませんが、そういうわけではありません。
セレナAUTECHとエクストレイルAUTECHでは「カスピアンブルー」、ノートAUTECHやリーフAUTECHでは「オーロラフレアブルーパール」を設定。
標準仕様のリーフにもオーロラフレアブルーパールが設定されていますが、オーテックブルーとして相応しいと判断したことからリーフAUTECHにも採用。クルマのデザインやキャラクターに合わせて、オーテックブルーの解釈に幅を持たせているといいます。
ブランド展開開始以降、「AUTECH=ブルー」というイメージが定着したことから、オーテックブランドではブルーのボディカラーの人気が非常に高くなっています。
ボディカラーにオーテックブルー選ぶ購入者の割合は、リーフAUTECHが66%、ノートAUTECHが56%、セレナAUTECHが54%、エクストレイルAUTECHが51%。
通常、標準車ではブルー系の色を選ぶ人は7%から8%しかいないとのことですが、AUTECHブランドでは半分以上がブルーを選択するという異例ともいえる状況です。
同社のウェブサイトに寄せられたコメントにも「ブルーに一目ぼれしました!」や「ノートNISMOかノートe-POWER AUTECHか迷いましたが、オーテックブルーに心引かれました」という声が寄せられるなど、実際の購入者もブルーが決め手となった人が多く存在するとのことです。
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