コロナ第2波でヨーロッパの新車販売大幅減 そんななか一番人気のモデルとは
自動車産業の調査会社「JATO Japan Limited」は2021年1月6日、欧州自動車市場についての最新レポートを公開した。
2020年11月の欧州新車販売台数は前年同月比13%マイナス
自動車産業の調査会社「JATO Japan Limited」は2021年1月6日、欧州自動車市場についての最新レポートを公開した。
このところ日本でも再び新型コロナウイルスの感染拡大が起こっている状況だが、欧州ではすでに2020年10月ごろから、各国で新型コロナ感染拡大の第2波が深刻化している。
2020年春に続きロックダウンに踏み切った国もあったこともあり、2020年11月の欧州の新車販売台数は104万5129台と、前年同月と比べておよそ13%の減少となった。これは2014年以来、もっとも少ない数字となっている。
また2020年1月から11月までの累計台数はおよそ1071万台で、対前年比は26%の減少。この数字は21世紀に入ってもっとも少ない台数だという。
JATO DynamicsのグローバルアナリストであるFelipe Munozは「世界的な感染拡大と、そのモビリティへの影響は自動車業界にとって非常に痛手であり、実際、過去20年間にヨーロッパを襲ったどの経済危機よりも痛手であった」とコメントしている。
そんな状況のなか、2020年11月のモデル別ランキングでは、VW「ゴルフ」がもっとも人気のあるクルマとしての地位を維持した。2020年1月から11月のVWゴルフの累計販売台数はおよそ25万5000台となる。
1位 VW「ゴルフ」 2万4784台
2位 トヨタ「ヤリス」 1万9397台
3位 ルノー「クリオ(日本名:ルーテシア)」 1万9160台
4位 オペル/ボクスホール「コルサ」 1万8855台
5位 プジョー「208」 1万7812台
6位 プジョー「2008」 1万5941台
7位 ルノー「キャプチャー」 1万5793台
8位 ダチア「サンデロ」 1万5351台
9位 フォード「フォーカス」 1万5244台
10位 シュコダ「オクタビア」 1万5219台
VWゴルフは2019年10月、欧州で発売が開始されたモデルで、現行型は第8世代となる。この新型ゴルフは日本ではまだ導入されていないが、2021年上半期には上陸する予定だ。
8代目ゴルフは、全長4284mm×全幅1789mm×全高1491mm、ホイールベースは2619mmのCセグメントモデル。ガソリンモデル「TSI」、ディーゼルモデル「TDI」のほか、「eTSI」と呼ばれる48Vハイブリッド、また「eハイブリッド」「GTE」と呼ばれるプラグインハイブリッド、そしてスポーティモデル「GTI」「GTD」や4モーションの「R」もすでに欧州では登場していて、豊富なラインナップで展開されている。
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モデル別ランキングで上位10位に入ったSUVは、6位のプジョー・2008、7位のルノー・キャプチャーの2台のみとなったが、SUVのマーケットシェアは2019年の38%に対し、2020年は40.4%にまで拡大している。
ただし、JATO Dynamics・グローバルアナリストのMunozは「2020年はSUVのラインナップがより幅広くなったことからマーケットシェアは大きくなった。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響がまだ残っているため、新型車が投入されると同時に市場が成長したり、かつてのような早いペースでシェアが拡大することは、もはやないだろう」とコメントした。
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