トヨタ新型EV「シーポッド」登場で軽自動車に激震? 電動化で起きる日本独自規格消滅の可能性とは

軽自動車の考え方が変わる可能性も?

 次に軽自動車の電動化ですが、ホンダとトヨタの子会社であるダイハツは2021年1月時点でスズキのようなマイルドハイブリッド車をラインアップしていません。

 そうしたなか、一部メディアは12月27日、関係筋からの情報として、ダイハツが2021年度中を目途にストロングハイブリッドシステムを軽に導入すると報じています。

 また、スズキの鈴木俊宏社長は新型「ソリオ」のオンライン発表会の質疑応答で、筆者の質問に答える形で、軽自動車向けとして限定はしませんでしたがストロングハイブリッドを念頭に置いて「トヨタからの部品供給を受けて、スズキ独自のハイブリッドシステムを開発することも検討したい」と答えています。

 そしてN-BOXを擁するホンダは、八郷隆弘社長がF1撤退の理由を「電動車開発への開発リソース集約」と明確に答えており、次期N-BOXのハイブリッド化は十分に視野に入っていると思われます。

 一方で、商用軽のEV化に関連して、東京電力などが主体となる電動車活用推進コンソーシアムが2020年5月に立ち上がっています。

「物流事業者や全国の電力会社向けなどで利用する、新規の軽EV開発を積極的に相談している」(東京電力関係者)という状況です。

トヨタ新型EV「シーポッド」
トヨタ新型EV「シーポッド」

 こうした各方面での動きを取材してみると、超小型モビリティが軽自動車の代替車となり、軽市場が縮小し、最終的に軽規格が消滅する可能性はあまり高くないと感じます。

 ただし、今後さらに国内自動車市場全体での電動化が進むなかで、また世界市場における小型車の部品共用性を考える上で、軽が現在のリッターカークラスに吸収される可能性はゼロではないと思います。

 そうした軽の電動化による商品としてのレベルアップと、超小型モビリティを活用したさまざまな地域サービスが今後、どのように共存共栄していくのか。地域サービスのユーザー目線で、これからの動向をしっかりと見守っていきたいと思います。

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Writer: 桃田健史

ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。

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