なぜ今なお人気!? 登場から40年以上 メルセデス「Gクラス」の唯一無二の魅力とは
軍用車開発から生まれた圧倒的なオフロード走破性
そんなGクラスの人気はどこにあるのだろうか。まずは、その歴史を振り返ってみよう。
Gクラスの源流は、1972年のダイムラー・ベンツ社とシュタイヤー・ダイムラー・プフ社(現在のマグナ・シュタイヤー社のルーツ)との契約にある。そこから現在のGクラスとなるオフロード車の開発がスタートしたのだ。
ここで生まれたモデルは、ボクシーなデザイン、堅牢なラダーフレーム、デフロック付きの4WDシステムという、現在のGクラスに続く特徴がすでに備わっていたのだ。そのモデルは、まず軍用車として開発された。
そして1979年に、民生用として発売が開始される。72馬力から156馬力までの4種のエンジンと、ショートホイールベースのカブリオレ、ショートホイールベースとロングホイールベースのステーションワゴンというボディが用意されたのだ。この時点でのGクラスは、まだ実用車という側面が強かったのだ。
1989年には第2世代と呼べる、シリーズ463が誕生する。このモデルは、いまに続くまで着々と進化を続け、それに合わせてファンを拡大してきた。また、1993年からはGクラスという正式名称が与えられている。
シリーズ463の30年以上の歴史のなかでは、数々のモンスターモデルが誕生している。モデル誕生25周年となる2004年には、最高出力476馬力の「G55AMG」が登場。ただのオフローダーではなく、オンロードでも恐るべき走行性能を備えるというキャラクターがGクラスに付与されている。
また、2014年には6輪車となるG63 AMG 6×6が登場。全長約6m、全幅2m以上、全高約2.3mの巨躯に6輪駆動のシステムを搭載した究極のオフローダーであった。翌2015年には、その4輪バージョンとなる「G500 4×4スクエアード」も生まれている。
そして2017年には、中東のVIPをターゲットとした驚くべきゴージャスな「マイバッハG650ランドレー」というモデルも誕生している。これは後席に座るVIPのために、インテリアは最高に贅沢なものが使われ、ルーフの後ろ側がオープンになっている。オフローダーでありながらも、VIP向けのショーファードリブンであったのだ。
ちなみに、ローマ教皇がパレードなどに使用する防弾ガラス付きの車両は通称「パパモビル」と呼ばれ、その役割をGクラスは何代にもわたって担っている。そうした、常識はずれなまでに高性能であったり、ゴージャスであるモデルを発表することで、Gクラスの名声はさらに高まることになったのだ。
軍用車として生まれ、そのデザインをほぼ変えることなく現在まで継承するのがGクラスの特徴のひとつだ。そのデザインは、Gクラスを見る誰もが「世界屈指のタフなオフローダー」であることを即座に気づかせてくれる。
また、数々の豪華なモデルを数多く世に送り出したことで、「Gクラス=もっともリッチなクルマ」というイメージも世に浸透している。そして、そんな「タフでリッチなクルマ」というイメージが、世界中のGクラス人気を支える大きな力になっているといえるだろう。
恐るべしと思うのは、こうしたイメージがクルマに詳しくない人たちにも、しっかりと浸透していること。それがGクラスというブランドの強さにつながっている。だからこそ、Gクラスは常に売れ続けるのだろう。
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