アップル社の「車開発再始動」報道、なぜいま復活? トヨタに自動運転で本当に勝てるのか
IT大手のアップルが2024年に自動運転EVの製造を開始するというニュースが、2020年12月22日に米ロイター通信で報じられました。アップルが自動車産業に参入するという計画は以前も報じられましたが、今後、IT大手は自動車産業に対してどのように関わっていくのでしょうか。
噂の「アップルEV」 今度は本気か?
「アップルが、自動運転EVを2024年に製造開始する」と、米ロイター通信が2020年12月22日に伝えました。報道では、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2025年にずれ込む可能性があるとも指摘しています。今後、アップルをはじめとするIT大手は、自動車産業に対してどのように関わっていくのでしょうか。
アップルが自動車産業に参入するという話は、以前にもありました。
社内コード「プロジェクト タイタン」と呼ばれ、2010年代中頃からアップル本社がある米シリコンバレー界隈で公道テストする車両が多数目撃されるようになりました。
当時、ティム・クックCEOはプロジェクト タイタンの存在を認めたうえで、2017年には開発事業の一時凍結を明らかにしています。
その理由については、アップルとしてクルマというハードウェアを生産することよりも、ソフトウェアやクラウド上での制御システムなどの方が事業の可能性が大きいから、としていました。
そうした発言から3年が経ち、どうしてまた自動運転EV量産の話が表に出てきたのでしょうか。
もっとも大きな理由は、ESG投資の影響だと考えられます。
ESG投資とは、従来のような財務状況を主体とするだけではなく、環境・社会・ガバナンスに関する企業活動を加味した投資のことです。
2010年代後半になり、ESG投資は世界的に注目されるようになり、世界各地で大きな資金が動くようになりました。
そのなかで、再生可能エネルギーやEV(電気自動車)などへの関心が高まったこともあり、国や地域で電動車を早期に社会導入する政策を発表する動きにつながってきました。
日本政府が現在検討している、「2030年代中頃の内燃機関(ガソリンエンジン・ディーゼルエンジン)搭載車の新車販売禁止」も、こうした世界の動きを見据えたものだと、経済産業省が12月上旬に公開した資料のなかで記載しています。
アップルとしても、EVに関する時流が変化するなかで、自社の強みである電気製品の開発体制と、サプライヤーと連携した大量生産体制を駆使して、クルマのハードウェア量産への再挑戦を目指しているようです。
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