なぜ、ランボ「ディアブロGT」がショーウインドウに? 欲しくても売ってくれない理由とは

2020年、ランボルギーニ「ディアブロ」は生誕30周年を迎えた。それを祝うかのように、「ディアブロGT」がミラノのショーウインドウを飾った。どうしてディアブロが飾られているのか、その理由に迫る。

ミラノの中心に、「ディアブロGT」が出現!

 2020年は、例年にない静かなクリスマスシーズンとなった。本来ならば、クリスマスプレゼントを買い求める人でショッピング街は賑わっているはず。ところが今年は新型コロナウイルスという前代未聞の大敵が現れ、世界中を恐怖で覆った。

 連日コロナ感染者のニュースがメディアを駆け巡っているイタリア。そんな報道を聞く度に人々の不安は増していくばかり。これからいったいどうなるのだろうか、と。

カーボンファイバー製のフロントエアダムを見せる「ディアブロGT」が高級ブランド街、モンテナポレオーネ通りのラルスミアーニのショーウインドウに飾られていた
カーボンファイバー製のフロントエアダムを見せる「ディアブロGT」が高級ブランド街、モンテナポレオーネ通りのラルスミアーニのショーウインドウに飾られていた

 こうした時ではあるが、クリスマスの光を求め街に出てみた。

 先ずは、ミラノの高級ブランド街に足を運んだ。モンテナポレオーネ通り、スピーガー通り、サンタンドレア通りetc……。人出はないが、さすがファッションの街ミラノ。おしゃれな街並みはエレガントで繊細なイルミネーションで覆われていた。小雨で濡れた石畳に光が反射して、一層の魅力を街並みに与えていた。

 モンテナポレオーネ通りとサンタンドレア通りが交差したところに差し掛かったところ、何やらショーウインドウから黄色いクルマのノーズが見えるではないか。

 なんだろう? と、そのショップの方へ向かって歩くと、なんとそこにはランボルギーニ「ディアブロ」が鎮座していた。そういえば、2020年はディアブロ誕生30周年記念の年だ。

 このショップはファッションブランド「LARUSMIANI(ラルスミアーニ)」といい、モンテナポレオーネ通りのど真ん中にある。1922年に誕生したラルスミアーニは上質の生地の生産から始まり、現在では自社ブランドの製品を世界中に発信している。

●どうして店内にランボルギーニが?

 ラルスミアーニの社長であるグリエルモ・ミアーニ氏は大のクルマ好き。彼自身も1990年代のベントレー「コンチネンタルGTコンバーチブル・マリナー」を所有している。

 また、モンテナポレオーネ通りの組合会長でもあるグリエルモ氏は、誰もが知っているミラノのこの通りを活性化させようと、歴史あるクルマ・バイク・モーターボートとナポレオーネ通りの各ブランドショップとのコラボレーションを試みたり、ファッションウィーク期間中に数々のイヴェントを実行したりと、モンテナポレオーネ通りのPRに力を注いでいる。

 そして、数年前から自社ラルスミアーニのショーウインドウに、世界中から訪れるお客様にクルマの魅力を伝えようと、数か月ごとに貴重なクルマを展示している。

 店内に入らせて頂き、ゆっくりとディアブロを観賞。ファッションアイテムに囲まれたディアブロ。何故かとってもしっくりした空間だった。ショップ店員に聞くと、クルマ目当てに店内に入って来る人も少なくないとか。

 さて、今回の黄色のランボルギーニ・ディアブロ。

 ランボルギーニ本社のミュージアムMUDETECから送られて来たクルマということだった。

 正式モデル名は、「ディアブロGT」。トータルで83台生産され、このショーウインドウに飾られたディアブロGTは1999年11月末に生産された、シャシ番号「ZA9DE21A0XLA12363」の個体だという。

 工場でラインオフ後、常にミュージアムに保管されているというオリジナルのクルマだ。

 ディアブロ30周年に、ミラノのモンテナポレオーネ通りで、オリジナルの貴重なディアブロGTに出会うことができて幸運な1日だった。この黄色いクルマに引き寄せられ、店外から写真を撮っている人もチラホラ。ファッション目当てに来る人はクルマ好きが多いようだ。

 ショップを出ると、その向かいにはアウディが鎮座していた。なんとアウディはモンテナポレオーネ通りのスポンサーで、ときどき通りに新車を展示しているとのこと。

 ファッションの通り、モンテナポレオーネ。これから、どんなクルマとのコラボレーションがおこなわれるか楽しみだ。

 ショップ店員に、ディアブロの次に展示するクルマは? と質問すると、「な・い・しょ」とのことだった。

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