まるでからくり屋敷? 実はすごい日本車の収納 「隠し箱」まで作るコダワリの訳とは

そんなところに収納が! 「シークレットボックス」備える車種も

 軽自動車だけでなく、コンパクトカーやミニバンをはじめさまざまな車種で収納スペースが重要視されている日本車ですが、なかには珍しい収納装備を持つクルマも存在。3車種ピックアップして紹介します。

●トヨタ「プロボックス」

 トヨタの商用バン「プロボックス」は2002年に登場。2014年にはビッグマイナーチェンジがおこなわれ、2018年にはハイブリッド仕様が追加されるなど、進化が続いています。

 日々忙しく働く人の味方として開発されたプロボックスは、インパネまわりも機能的に設計されていますが、特徴的なのが標準装着される「マルチホルダー」です。

 メモ帳などをちょっと置くのに便利なほか、サイズを調整することでスマートフォン(スマホ)を固定できるスマホホルダーとしての機能も果たします。

 無接触充電機能とあわせてスマホを横置きできるトレイを用意するクルマはいくつかあるものの、スマホを立てて固定するホルダーを備えるクルマは珍しく、下から充電コードを垂らすこともできるという凝りようです。

 固定中はスマホの画面が隠れるように設計されるなど、安全面にも配慮されています。

●三菱「アイミーヴ」

 三菱が世界に先駆けて量産した電気自動車「アイミーヴ」は、2013年まで生産されたガソリン仕様の軽自動車「アイ」をベースに、エンジンと取り払い駆動用バッテリーとモーターを搭載。

 プジョーやシトロエンにもOEM供給された実績があるほか、2018年の一部改良で全長が拡大され登録車となりました。

三菱「アイ」の「グローブボックスアッパートレイ」の上部にある「インパネシークレットボックス」
三菱「アイ」の「グローブボックスアッパートレイ」の上部にある「インパネシークレットボックス」

 そんなアイミーヴは、最新の軽自動車やコンパクトカーと比較するとインパネ周りの収納が比較的少なめですが、じつはガソリン仕様のアイの頃から継続される“秘密の収納”があります。

 それが、「グローブボックスアッパートレイ」の上部にある「インパネシークレットボックス」という収納です。

 ボックスティッシュが入るほどの大きさですが、特徴的なのはしまうものを下から上に入れ、ツメのついた蓋で下から抑えることで隠すという点です。

 蓋には穴が空いているので、ボックスティッシュを逆さにして収納すれば、ティッシュペーパーを取り出すことが可能。車検証など、頻繁に取り出す機会のないものの収納にも便利です。

●プジョー「リフター」/シトロエン「ベルランゴ」

 MPV(マルチパーパスビーグル)として、さらなる収納スペースをルーフに求めたのがプジョーの「リフター」とシトロエンの「ベルランゴ」で、2台は兄弟車の関係にあたります。

 特徴的なのが、ルーフを縦断する大型収納「マルチパノラミックルーフ」(リフター)/「モジュトップ」(ベルランゴ)です。

 ルーフ中央がバックライトで光り車内を優しい雰囲気で包むだけでなく、裏側には14リッター分の容量が確保され、小物をすっきり収納できます。

 ドライバーの手が届くサンバイザー上部には18リッター、リアシート側とテールゲート側の両方からアクセスできるボディ後部には60リッターの荷室容量があり、クルマのなかでものがかさばることはありません。

 同じフランス車として競合するルノー「カングー」にも天井収納があり、MPVとして「技あり」な収納といえるでしょう。

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