スバル「フォレスター」に待望のターボ追加! 先代ターボとひと味違う!? 復活の意義とは
先代のターボ車との違いはどこに?
さて、走り出してみましょう。まず感じたのは、とても扱いやすくて運転を楽にしてくれるエンジンだということです。
その理由はトルク特性にあります。1.8リッターという排気量ながら、自然吸気エンジンでいえば排気量3リッターエンジンに相当する太い300Nmというトルクを、1600回転という低い回転域から発生するのでアクセルを軽く踏むだけでググッとクルマが力強く前へ進むのです。
発進はもちろん、高速道路やバイパスの合流、そして追い越しでとても頼もしく感じました。
また、組み合わせるCVTも新型レヴォーグに採用している実質新開発のユニット(構成部品の9割以上が新設計)。ワイドレシオとしているほか、CVTを感じさせないダイレクト感が特徴で、いわゆる“すべり感”を感じさせません。
ただし、先代(SJ系)のターボモデルと同じ感覚を求めて乗ると、違和感を覚えるかもしれません。理由はエンジンの方向性の違いです。
先代のターボエンジンは排気量2リッターの高出力型で280馬力あり、パワーを求めた特性だったのです。
それに比べると新型のターボモデルの最高出力は3分の2ほどで、先代モデルのようにガツンと炸裂するようなパワー感はないのです。
このCB18エンジンは、新型レヴォーグにおいても“高出力版”ではなく、従来モデルの1.6リッターターボに相当するパワートレインとされています。
ダウンサイジングターボとまではいいませんが、加速感と経済性を両立したユニットなのです。そのため先代ようなハイパワーを期待すると、少し違うかもしれません。
せっかくのターボなのにそういった特性のユニットを選んだ理由はどこにあるのでしょうか。
じつはこのターボモデルには大きな使命があります。それは燃費の向上です。
従来設定していた2.5リッター自然吸気エンジンを搭載したモデル(現在は販売終了)のカタログ燃費はWLTCモードで13.2km/L。
一方、新設定の1.8リッターターボは13.6km/Lと、自然吸気よりも燃費に優れているのです。実燃費ではさらに差がつくことも考えられます。
トルクが太くて乗りやすく、しかも燃費がいい。新設定の1.8リッターターボエンジンはそんなキャラクターなのです。
2.リッター自然吸気と入れ替わりで1.8リッターターボが加わったことで、最新のフォレスターのパワートレインは、2リッターエンジン+モーターのハイブリッドと1.8リッターターボのふたつとなりました。
価格(消費税込)はハイブリッドが291万5000円から315万7000円、ターボが328万9000円です。
パワートレインを選ぶポイントは、快適性や燃費ならハイブリッド、高出力タイプではないといえ力強いパワー感やドライバビリティを求めるならターボが魅力的でしょう。
筆者(工藤貴宏)が選ぶならターボです。
Writer: 工藤貴宏
1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。
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