チャイルドシート卒業「140cm」で本当にOK? もう「10cm」待つべきこれだけの理由

国産自動車メーカーの見解は?

 自動車メーカーが新しい自動車の衝突安全性をテストする際には、人間の形状をしたダミーが使われます。

 一般財団法人日本自動車研究所(JARI)に聞いたところ、「日本の自動車メーカーのほとんどは1990年前後から、一番小柄な成人ダミーにおいては身長145cmのものを使用して安全性を評価しています。

 軽自動車など日本国内専用の車種については、メーカーによってもう少し小さなダミーを使うこともあります」と説明します。

 ちなみにこのもっとも小柄な成人ダミーの名称は「AF05」で、AFとは『Adult Female』(成人女性)、05とは5%のことです。

 つまりシートベルトだけを着用して安全性の評価がおこなわれるのは身長145cm以上ということになり、子ども用のダミー(最大身長138cm)はすべてチャイルドシートに座った状態での試験をおこなっています。

 シートベルトだけを装着した身長135cmや140cmのダミーを使ってのテストは、おこなわれていないとのことでした。これらの身長における衝突時などの安全性は未確認ということになります。

 トヨタやダイハツも145cmから190cmの間で安全性の評価をおこなっているという回答を得ました。

 ダイハツでは、「弊社では各国法規やアセスメント(JNCAPなど)に対応する為、145cmから190cmの身長範囲にて正しく装着されるよう設計しています」とのことでした。

 現在、日本のチャイルドシート(身長105cmまでの乳幼児に対応するISO FIX固定タイプ)は最新の安全基準「UN-ECE R129」に基づいて設計・製造されています。

 2017年9月以降、新たに型式指定を受けるものはR129への適合が義務付けられていますが、販売やユーザーの使用については、ベルト固定、ISO FIX固定ともに、旧基準UN-ECE R44適合のチャイルドシートでも問題ありません。

 そして、R129基準におけるジュニアシート(非一体型汎用ISOFIX)においては、身長約105cmから150cmまで使える仕様であることがマストとなっています(2022年9月以降に型式指定を受ける場合の技術的要件)。

 また、シートベルトやシートに関する協定規則UN-ECE R16などにおいても「子ども(年少者)」とは「12歳または身長150cm以下」と定義づけています。

 つまり、国際的な基準では車両シートベルトが安全に使える身長は150cm以上であり、それまではジュニアシートが必要と解釈してよいと思います。

背もたれのないタイプの学童用チャイルドシート(ジュニアシート)を使用する際のルールとは
背もたれのないタイプの学童用チャイルドシート(ジュニアシート)を使用する際のルールとは

 ジュニアシートには背もたれのないタイプ(ブースタークッションタイプ)と、肩や頭まわりまでをサポートする背もたれが付いたタイプの2種類がありますが、2017年2月に改正された安全基準(ECE R44/04 S11)によると背もたれのないジュニアシートは身長125cm、体重22kg以上で使用することが義務付けられています。

 日本で販売される旧基準の背もたれがないジュニアシートのなかには「体重15kgから、3歳以上」で使用可能としているものもありますが、子どもの安全を第一に考えるなら身長125cmを超えるまでは背もたれ付のジュニアシートを強くお勧めします。

【画像】チャイルドシートの使用は親の義務!? 根拠を画像で見る(10枚)

【NEW】自動車カタログでスペック情報を見る!

画像ギャラリー

Writer: 加藤久美子

山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。

1 2

自動車業界の最新情報を見るなら【くるタイムズ】

最新記事

コメント

1件のコメント

  1. 150有れば首吊らないか?ものすごく疑問
    うちの老人は首吊るからできないと言ってて、確かに首擦ってるのでさせられない
    それに対して解決策を用意せずに看過し、義務化、罰則化だけしてるのはあきらかにおかしい