「あれ、何だっけ?」 パッと見では間違えそうな道路標識5選
かつて運転免許を取得する際に学科試験で習った「道路標識」も、長年時間が経つうちに忘れてしまいがちです。とくに色や図柄が似た道路標識は指示内容の違いが分からなくなることもあります。今回は、そんなまぎらわしい道路標識を5つ紹介します。
忘れているかも? 珍しい・まぎらわしい標識
道路を見渡すとあちらこちらに立っている道路標識。交通の流れを円滑に保つためには意味を把握し遵守する必要があります。
しかし、生活圏内で見かけない標識となると、その指示内容を忘れてしまうこともあり得ます。出掛け先で「?」となる標識に遭遇した場合でも慌てないように、今回はパッと見で、違いが分かりづらい標識を5つ紹介します
■ルールが異なる2つの「ぐるぐる」
色こそ違うものの、そっくりな印象を持つふたつの「ぐるぐる」標識。
左側の「環状交差点における右回り通行」は、この先に右回り(時計回り)の環状交差点(ラウンドアバウト)があることを、右側の「ロータリーあり」は、文字通りこの先にロータリーがあることを意味します。
右側の「ロータリー」は駅前や住宅街に多く見慣れた印象がありますが、左側環状交差点とはいったいどのような交差点なのでしょうか。
この環状交差点は、2010年ごろから国内各地で導入が進んでいるもので、交差点の中心に円形の道が組み込まれ、内部は右回りの一方通行になっています。
たとえ交差点入口から見て右側の道へ進みたかったとしても、いったん左折して交差点に進入し、ぐるりと周回してから交差点を出て目的の道へ向かわなければなりません。
この方式のメリットは、基本的に信号が無いため信号待ちの時間が発生せず、停電時なども問題なく使用できるという点が挙げられます。また、交差点への進入速度が下がるために安全性が高まるともいわれています。
環状交差点は慣れると使いやすく快適なものですが、不慣れなドライバーが誤って右折進入してしまう事例があるため、走行時は安全のために他車の動きにも注意する必要があります。
また環状交差点とロータリーでは交差点内のルールが異なり、一般的には環状交差点は交差点内の車両が優先。ロータリーは進入側の車両が優先となりますが、場所によっては両方の標識が設置されている箇所もあるので、分からない場合は管轄する警察署や道路管理者に問い合わせた方が良いでしょう。
■「最高速度」と「最低速度」
左側の標識の「最高速度」はもっとも見慣れた標識のひとつかもしれません。しかし右側の青い線があるほうの標識の指示内容は分からない人も多いのではないでしょうか。
最高速度の図柄に下線が1本追加されたこの標識の正体は「最低速度」。その名の通り「この標識を下回る速度での走行を禁止する」という指示となります。
この「最低速度」標識が設置される場所は、主に橋梁や観光地など、低速走行してしまうと一般交通に著しく支障をおよぼす区間に限定されており、低速での運転を防いで交通の流れを保つことを目的としています。
見慣れない標識ということもあって、うっかり「最高速度」と誤認すると違反対象となりかねないので、注意が必要です。
■どっちも「追越し禁止」? 実は細かな違いが…
左の標識は見ての通り、追い越しを禁じる指示です。この標識は良く見かけるので間違える人は少ないと思います。
しかし、この標識の下に「追越し禁止」の補助標識があるか無いかで意味が変わることを把握していない人は多いのではないでしょうか。
実は右の標識は「追越しのための右側部分はみ出し通行禁止」となり、追い越し自体を禁じるものではありません。
つまり前方の軽車両や、車両が左端に寄って譲ってくれたときなどに、“センターラインを超えて右側部分にはみ出す”ことが無ければ、追い越しをしても違反にはならない場所であることを示しています。
とはいえ、この標識が立っていても片側一車線で幅員が狭いような場所であれば、実際にはセンターラインを超えずに追い越すのが不可能という場合もあります。
そんな事実上の追い越し禁止ともいえる場所もあるので、この標識のある道路を走行する際にはよく見極めたほうが良いでしょう。
車両通行止の説明が間違っています。
この標識は車両の進入を禁止する場合に設置するもので一方通行の出口には絶対に設置されません。
一方通行の出口に設置されるのは進入禁止の標識です。
このたびはご指摘をいただき、誠にありがとうございます。
修正いたしました。