やっぱり日産「エルグランド」にe-POWERが欲しかった!? 10年目のマイチェンの成果とは
2020年11月に、日産「エルグランド」の2度目のマイナーチェンジがおこなわれました。ライバルのトヨタ「アルファード/ヴェルファイア」に大差を付けられているエルグランドですが、どう進化したのでしょうか。
2回目のマイナーチェンジを受けた「エルグランド」
日産の内田誠社長兼CEOは事業構造計画発表「NISSAN NEXT」の会見で「積極的な新車投入」を公言しました。
具体的には2021年までにグローバルで12の新型車を投入、そのいくつかはすでに発表されています。
その一方で、そこからまだ抜け出せないモデルもいくつかあります。そのひとつがラージクラスミニバンの「エルグランド」です。

初代モデルは1997年に登場。ミニバンとしての広い空間だけでなく、高い動力性能や運動性能を備えた「高級ミニバン」の元祖といってもいいでしょう。
ライバルに対して圧倒的な優位性を持ち、誰がいったか「キングオブミニバン」の称号も与えられました。
3代目となる現行モデルは2010年に登場。北米向けの「クエスト」との統合モデルとなり、駆動方式はそれまでのFRからFFへと変更されました。
デビュー当初は高い人気を誇っていた現行エルグランドですが、高級ミニバンの双璧・トヨタ「アルファード/ヴェルファイア」が2015年3代目にフルモデルチェンジし、商品性を飛躍的にアップしたことにより風向きは大きく変わりました。
このとき、エルグランドはタイミング的に大幅改良の時期でしたが、あてにしていたクエストが不人気で2016年に販売終了。国内専用モデルに戻ったことで開発は後回しになったのです。
ただし、その間、何もしなかったわけではなく、小改良や特別仕様車の投入もおこなわれましたが、販売は大きく減少。現在はアルファード/ヴェルファイアの10分の1といった状況です。
とはいっても、月に数百台レベルの安定した販売はおこなわれています。恐らく、「販売終了は困る、ミニバンがセレナ一車種では厳しい」という営業サイドの声と、「フルモデルチェンジさせるほどの投資は厳しい」という経営サイドの声から、今回2回目のマイナーチェンジとなったのでしょう。
この辺りはデビューから9年目に大幅改良されたトヨタ「エスティマ」(2020年に生産終了)と同じ境遇です。
では、エルグランドはどのようなアップデートがおこなわれたのでしょうか。
まずエクステリアですが、フロントマスクをアップデート。従来は横基調だったグリルをドット調への変更やヘッドランプの変更(LED化)、初代モデル以来となる2トーン塗装などが実施されています。
これらにより従来モデルで弱かった「煌びやかさ」と「力強さ」が引き上げられていますが、AUTECHのファクトリーカスタムモデル共通のフロントマスクに寄せたかなと感じましたが、ほかの部分は従来モデルと変わっていません。
ちなみに今回の改良で、エルグランドから標準モデルは消え、すべてスポーティモデルの「ハイウェイスター」となっています。
インテリアの変更は利便性の向上が主です。具体的には8インチから10インチに大型化されたディスプレイに合わせて、インパネセンターのデザインをアップデート。
ナビやオーディオの操作がタッチパネルに集約されたことで操作性はアップしていますが、エアコンの操作系だけ残されたシフト周りは無駄に面積が広くスカスカな印象は否めません。
トリプルオットマン+中折れ機能付きセカンドシート(7人乗り)や走行時の疲労を低減させる3層構造シート、3列目シートスライド機能(240mm)などを採用する室内空間は変わっていませんが、シートは連続したキルティングパターンの採用によりモダンで嫌味のない高級感に仕上がっているように感じました。












































