どちらが人気? 「Gクラス」軍用/民生用の装備の違いとは?
「Gクラス」は、軍用と民生、どちらに人気がある?
メルセデスおよびプフの民生用W460系ゲレンデヴァーゲンには、生産開始当初からメルセデス乗用モデルから流用した4気筒SOHCガソリンエンジンの「200G/230GE」に加えて、同じくメルセデス用4気筒ディーゼルを搭載した「240GD」および直列5気筒ディーゼルの「300GD」も用意。
また、一部市場向けの高性能モデルとして「280E/280SE」用6気筒DOHCエンジンを搭載した「280GE」も追加設定された。
2020年10月「LONDON」オークションに出品されたのは、発売2年目となる1980年5月に生産。イタリアにデリバリーされたという最初期のショート版240GDである。
●1980 メルセデス・ベンツ「240 GD」
パワーユニットは72psを発生する2.4リッター直列4気筒ディーゼルエンジンで、2速トランスファーケース付きの4速マニュアルトランスミッションが組み合わされる。
新車当時はとても高価なクルマだったことを示すように、この240GDにはメーカーオプションのパワーステアリングや、アップグレード版の洒脱なインテリアに加え、フロントのけん引フック、およびリアのピルトンヒッチを組み込んだ2ピース型バンパー、さらに観音開きのリアハッチと外付けスペアホイールキャリア、そして折りたたみシートなど、ファンの間では望ましいとされるオプションが満載されている
ランボルギーニの故郷として知られるサンタアガタ・ボロネーゼから、この240GDのオークション出品を委託した現オーナーは、下半分に独特の塗装が施されたダッシュボードまでオリジナルを保ったインテリアを称して「タイムカプセル」とアピール。
唯一の追加パーツは、メータークラスター左脇のスント傾斜計のみ、と公式カタログにて報告している。
2017年には、ボディの完全な再塗装がおこなわれ、ホイールもオリジナルの正しいカラーで再仕上げが施されたという。
生産から現在に至るまでの走行距離は約5万5800kmと、年式とクルマの用途を考えれば非常に少ないうえに、エンジンとブレーキは最近になって大規模なメンテナンスを受けたほか、ゴム製のサスペンションパーツも交換されたとのこと。
同時期に劣化が進んでいたボンネット裏の断熱パッドも新調され、現オーナーはイタリアの車検にも合格。「今すぐ運転する準備ができています」と述べている。
さらに、工場出荷仕様書とイタリアの登録書類のコピーも添付されたこのW460系240GDは、10月にオンラインでおこなわれた競売では2万6400ポンド、つまり約368万円で落札されることになった。
同じ2020年秋に落札された「240GD」であっても、もう1台の軍用車両との間に140万円近い格差が生じたことには、やはり「ゲレンデヴァーゲン」というクルマに対するファンの嗜好がうかがわれる。
レトロでシックな4輪駆動クロスカントリーカーであるのはもちろん、現在のメルセデスにも通ずるユーティリティと、クラシック・メルセデスならではの洒脱な雰囲気や楽しさを備えた民生用モデルが、少なくとも現状における大多数のエンスージアストの心をつかんでいるように思われるのだ。
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