サーキットの興奮を公道で! ランボルギーニ「ウラカンSTO」を徹底解説

「ウラカンSTO」の軽量化はどうなっている?

●軽量化

「ミウラ」と同じように開閉する、フロントボンネット・フェンダー・フロントバンパーをひとつのコンポーネントとして一体化した「Corango(コファンゴ)」が特徴
「ミウラ」と同じように開閉する、フロントボンネット・フェンダー・フロントバンパーをひとつのコンポーネントとして一体化した「Corango(コファンゴ)」が特徴

 ウラカンSTOは外装パネルの75%以上がカーボンファイバー製となる。複雑な構造を1枚のパーツで構成することによって強度を高めながら、結合部分がないことで軽量化を図っている。

 ランボルギーニの研究開発部門は軽量化技術における専門的なノウハウを駆使し、航空宇宙業界で活用されるカーボンファイバーの「サンドイッチ」構造をリアフェンダーに採用。この技術のおかげで、ウラカンSTOは構造的な剛性を維持しながら、カーボンファイバーの使用を25%削減している。

 ウラカンSTOの乾燥重量は1339kgと、既に軽量化を果たしているウラカン・ペルフォルマンテよりさらに43kgもダイエットに成功。軽量化の方策としては、ウラカン・ペルフォルマンテより20%軽いウインドスクリーンをウラカンSTOに採用し、また、マグネシウムホイールを採用するなどが挙げられる。マグネシウムホイールは、最高の比強度を達成し、同じ荷重係数のアルミホイールに比べさらに軽量化を果たしている。

 このマグネシウムホイールには、専用のブリヂストン製ポテンザ・タイヤを装着。ロード用とサーキット指向の2種類が用意されたタイヤはどちらも革新的なコンパウンドを使用し、細かく調整された接地効率で走行精度を高め、幅広い温度帯でグリップを向上させている。

●ランボルギーニ・スクアドラ・コルセの心臓部

 ウラカンSTOの心臓部にあるのは、ウラカンEVOとスーパートロフェオと同じ最高出力640hp(570kw)、最大トルク565Nm/6500rpmの自然吸気V型10気筒エンジンだ。

 エンジンは、非常にスポーティで応答性が高く、レース仕様のフィーリングに調整されている。ペダルとスロットルのダイレクトなつながりを感じることができ、高回転でのエンジンサウンドのシャープさにも磨きがかけられた。さらにギアチェンジの速度も上がり、瞬時のギアシフトを実現。

●AIMAの3つの新ドライビングモード

 ハイパフォーマンスな走行環境に焦点を合わせたウラカンSTOのレーシングスピリットは、「STO」「Trofeo(トロフェオ)」「Pioggia」の3つの新しいドライビングモードにも表れている。

 デフォルトのSTOモードは、ロード走行とカーブの多い道路を楽しむための設定となっている。ランボルギーニ・ディナミカ・ヴェイコロ・インテグラータ(LDVI)は、あらゆる路面コンディションを想定して最適化され、サスペンションはロード向けに設定。フルアクティブなESCをオフにすれば、ドライバーへのサポートを得ながら、走る楽しみを満喫することができる。

 トロフェオモードでは、全システムがドライ状態のアスファルトで最高のラップタイムを出せるように最適化されている。LDVIは、ESC ONではストレート用に、ESC OFFではラップタイム計測用に、専用トルクベクタリングとパフォーマンストラクションコントロール戦略を展開。新推定アルゴリズム「BTM(Brake Temperature Monitoring/ブレーキ温度監視)」により、ドライバーは常にブレーキシステムの温度を確認し、そのライフサイクル間のシステムの摩耗状況も管理することができる。

 Pioggia(雨)モードでは、トラクションコントロール、トルクベクタリング、RWS、ABSがウェット状態のアスファルト向けに最適化されている。トラクションコントロールとブレーキシステムはグリップ損失とエンジンのトルクカットを最小限に抑えるように調整され、LDVIシステムではウェット状態で必要なトルクを発揮するように精密な予測を駆使。トルクベクタリングはグリップの低いコンディションを考慮し、より良いコーナリングを保証する一方で、サスペンションはグリップを最大化し、荷重伝達をよりスムーズにおこなえるように設定されている。

●新CCM-Rブレーキシステム

 ブレンボ製CCM-Rブレーキは、F1での応用を基に、素材の専門知識を活用する優れた耐久性を実現している。CCM-Rディスクは従来のCCBに比べ4倍の熱伝導率で、ストレス耐性は60%高く、最大制動力は25%、減速性能は7%向上。この結果、あらゆるドライビングコンディションで安定したブレーキ性能を実現している。

●目的を持ったインテリア・デザイン

 ウラカンSTOのインテリアは、エクステリアの軽量化を反映したものになっている。コックピット全体を通してカーボンファイバーが豊富に使用され、スポーツシートもフルカーボンファイバー製となる。

 ランボルギーニのカーボンスキンが使用されたアルカンターラ仕上げの内装に、カーペットの代わりに採用したカーボンファイバー製のフロアマットに加え、フルカーボンファイバー製で軽量化されたドアパネルの開閉にはドアラッチが使用され、軽量化が実現している。

 リアアーチと4点式シートベルトに、ヘルメットを収納するために設計されたフロントトランクが、ウラカンSTOのレーシングDNAを強く感じさせる仕上げとなっている。リアアーチは技術パートナーのアクラポビッチ社と共同開発した高級チタン合金製で、従来のステンレス製に比べ40%軽量化している。

 新HMI(ヒューマンマシンインターフェース)では、タッチスクリーンでドライビングモード、LDVI、タイヤ圧、ブレーキ温度を含む機能を操作可能だ。常時接続のコネクテッド・テレメトリーシステムでは、サーキットでの運転パフォーマンスをモニタリング、記録し、Lamborghini UNICAアプリでデータを分析できる。スマートフォンなどでデータを気軽に確認することが可能だ。

 また、充実したアド・ペルソナム・プログラムでエクステリア、インテリア共にフルカスタマイズができる。ペイントやトリムに数限りないオプションが用意されているだけでなく、レーススタイルのビニールも選択できる。

 思い思いの色とデザインでスターティンググリッドに並ぶウラカン・スーパートロフェオEVOのように、ウラカンSTOも、カラーリングをパーソナライズすることを想定したデザインとなっている。

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 ウラカンSTOのデリバリーは2021年春以降、日本での車両価格は、3750万円(消費税抜)を予定している。

ウラカンSTOを【動画】でもっとくわしく知ろう!

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●マウリッツィオ・レジャーニ氏が語る「ウラカンSTO」

スーパートロフェオに参戦できなくとも、公道でその興奮を享受できそうな気になります

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●ウラカンSTOのDNAはサーキットにある

スーパートロフェオに参戦できなくとも、ウラカンSTOなら自宅ガレージからレーシングドライバー気分に浸れます

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●スクアドラ・コルセのDNAを受け継いだ「ウラカンSTO」

モータースポーツのトップであるジョルジュ・サンナ氏が解説します

【画像】東京に現れた「ウラカンSTO」を見る!(27枚)

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