サーキットの興奮を公道で! ランボルギーニ「ウラカンSTO」を徹底解説

マクラーレン「570S GT4」をベースとしたロードバーション「620R」のように、レーシングモデルをロードリーガルモデルに仕立てた市販モデルが、いま流行のようだ。ランボルギーニからは、「スーパートロフェオEVO」と「GT3 EVO」のテクノロジーをフィードバックした「ウラカンSTO(Super Trofeo Omologata)」が誕生した。

ワールドプレミア後、初のお披露目は日本で!

 2020年11月20日、東京・六本木のランボルギーニ・ラウンジにて、「ウラカンSTO」がお披露目された。本社のあるイタリア・サンタアガタ・ボロネーゼを除いては、東京でのお披露目が世界初であった。

「ウラカンSTO(Super Trofeo Omologata)」が、本国発表の後、世界で最初に東京にてお披露目された
「ウラカンSTO(Super Trofeo Omologata)」が、本国発表の後、世界で最初に東京にてお披露目された

 本来ならば、2020年9月1日より、アウトモビリ・ランボルギーニの日本支社代表(Head of Japan, Automobili Lamborghini)に就任したDavide Sfrecola(ダビデ・スフレコラ)氏が直接挨拶する予定だったが、昨今の新型コロナウイルスの影響で、ビデオレターでの挨拶となった。

「ウラカンSTOのモットーは、『BASED ON A TRUE STORY(実話に基づいている)』ということです。モータースポーツにおいて我々のスクアドラコルセが得た技術的進歩、そしてそのヘリテージをロードカーに活かしたいと思っていました。

 その技術的進歩は、2018年・2019年・2020年と3年連続でデイトナ24時間レースGT3カテゴリーにおいて優勝した事実に基づいています。

 この車両性能の技術とノウハウが注ぎ込まれた結果が、ウラカンSTOなのです。豊富なカーボンファイバーを使用した非常に軽量なクルマで、エアロダイナミクスを大幅に向上させた生粋のレーシングマシンです。

 11月18日の世界発表の後、日本はその真新しい衝撃を目撃するはじめてのマーケットとなります。このことは、私たちがいかに日本を愛し、また世界でもっとも重要なマーケットのひとつとして、優先しているのかの裏付けでもあります」

 また、ウラカンSTOの技術的な詳細についてのプレゼンテーションがおこなわれた。そのサマリーは次のとおりである。

●エアダクト、フロントスプリッター、ルーバーを備えるCofango(コファンゴ)

「Corango(コファンゴ)」とは、フロントボンネット・フェンダー・フロントバンパーをひとつのコンポーネントとして一体化したもの。「cofano(イタリア語でボンネット)」と「parafango(イタリア語でフェンダー)」を合わせ、フロントバンパーも組み込んだコファンゴは、「ミウラ」や「セストエレメント」にも同様のものを見ることができる。

 これは、軽量化につながるだけでなく、モータースポーツでは時間節約を図ることのできる特徴としても知られている。

 フロントボンネットに新しく設けられたエアダクトは、中央のラジエーターへの気流を増やし、エンジン冷却効率を高めると同時に、ダウンフォースも発生させる。コファンゴには、新しく設計されたアンダーボディとリアディフューザーへと気流を導くフロントスプリッターも装備。

 またコファンゴは、気流をフロントフェンダーの上に押し上げるような形状になっている。フロントフェンダーにはルーバーがあり、ホイールハウスから抜ける気流を最大化して内側の圧力を低減すると同時に、フロントのダウンフォースを増大。コファンゴのサイドの形状は、気流が前輪を迂回するように導くため、ドラッグを低減する仕組みだ。

●NACAエアインテーク付きのリアフェンダー

「スーパートロフェオEVO」に基づく新しいリアフェンダーは、車両のフロントエリアを削減してドラッグを低減しながら、リアのダウンフォースを高めて総合的な空力性能を向上させる役割を持っている。リアフェンダーに組み込まれているNACAエアインテークはエンジンのエアインテークとして機能し、ダクトを短くすることで、圧力損失を3割減らすことに成功している。

●リアのエアスクープ付きのエンジンボンネット

 リアボンネットには、ボンネット内側の空冷効率を向上させるためのエアスクープが設けられた。リアボンネットのフレームに組み込まれた専用のエアディフレクターが、エンジンと排気口の温度調整の必要に合わせて、シュノーケルからの大量の気流を導く役割を担っている。

●シャークフィン

 リアボンネットと一体となったシャークフィンは、STOの動的性能を高める。特にコーナリングでその力を発揮し、ヨー角の気流が入ってくるコーナーなどでは、フィンの両側でそれぞれ異なるレベルの圧力を発生させることにより、ヨー安定性が向上する。フィンはウィングへの気流を整える役割も果たし、コーナリング時のウィング効率も高めている。

●調整可能なリアウイング

 手動で簡単に調整できる新しいリアウイングのエアロ設定により、サーキットの特性に合わせて空力バランスとドラッグを最適化することが可能となった。ウイングはシングルスロットで2枚の翼面から構成され、前部の翼面を3つの位置に回転してダウンフォースを増大できる。

 前部と後部の翼面の間の隙間を狭めると、翼面の上側の圧縮が増し、前部の翼面の下側でより強くて広い吸引効果を発生。こうして、車体の空力バランスを最大13%変えることができ、STOをさまざまな運転スタイルやドライビングコンディションに適応させることが可能となる。

●最高のパフォーマンスを引き出すためのブレーキ冷却

 フロントブレーキの新しい冷却ダクトは、新しく導入されたCCM-Rブレーキのディスクとキャリパーの冷却専用のものとなり、フロントのホイールハウスから熱気を逃すコファンゴのルーバーと合わせて機能する。アンダーボディにあるものを含めた他のエアインテークと、最適な形状のノルダーがリアに配置されている。

●各種空力仕様の成果

 ウラカンSTOは、クラス最高レベルのダウンフォースと、後輪駆動車として最高の空力バランスを達成し、コーナリング性能の向上に大きく貢献する優れた空力負荷を実現。全体的な空力効率が37%向上したほか、「ウラカン・ペルフォルマンテ」に比べダウンフォースは53%アップと大幅に増大している。

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