個性派EV「ホンダe」は電気の力でどれだけ走る? 実電費を徹底検証
車内が静かすぎる! 驚きの静粛性とは
●高速道
走行距離:66.1km
実電費:8.8km/kWh
横浜市内を出発し、横浜新道から保土ヶ谷バイパスを経由して東名高速に入り、小田原厚木道路を通るルート。
今回も平日の日中の走行でしたが、保土ヶ谷バイパスから横浜町田インターの先までが休日を思わせるような激しい渋滞となっており、それが功を奏したのか電費は8.8km/kWhを記録しました。
この高速道路セクションで印象深かったのが、ホンダeの静粛性です。
エンジンを持たないEVはそもそもの騒音レベルが圧倒的に低くなりますが、その反面タイヤのパターンノイズや風切り音が気になってしまいます。
しかしホンダeは、パターンノイズも風切り音もかなりのレベルで遮音されており、圧倒的な静けさが車内を包んだのが驚きでした。
●ワインディング路
走行距離:42.8km
実電費:8.0km/kWh
ワインディング路は、小田原西インターを降りてターンパイクを上り、箱根新道を経由して一気に下るというコースです。
EVは、登りで一気にバッテリーを消費し、下りの回生ブレーキで電力を回収するというルートになります。
登りセクションでは動力性能には全く不満もなく、基本的には圧倒的な安定志向なのでテールハッピーになることはありませんが、後輪駆動らしい軽快な走りを楽しむことができました。
ただ、延々と続く登りの影響で大観山についたときの電費計の数値は2.0km/kWhを下回るほど悪化。
しかし、ここから一気に下り続けることで最終的には8.0km/kWhまで電費を戻すことに成功しました。
メーター上のバッテリー残量も4%ほどプラスとなり、回生効率の高さを感じさせる結果となりました。
●一般道
走行距離:50.9km
実燃費:9.4km/kWh
一般道は、国道134号から国道246号を経由して横浜市内に戻ります。
ここでは交通量も多く、夕方の時間帯となったことで渋滞区間もありましたが、平均速度が上がらなかったことも功を奏したのか、9.4km/kWhともっとも良好な電費をマークしました。
変速機を持たず1速固定で走行する多くのEVは、当然ながら速度とモーターの回転数が比例するため、速度が上がれば上がるほど電費は悪化してしまいます。
そのため、高すぎない速度で走行できるシーンが、もっとも電費がよくなるということがいえそうです。
※ ※ ※
今回はホンダeの電費性能をチェックしましたが、走行シーンによってはカタログ値を超える実力を持ち合わせていることが分かりました。
そしてリアモーターリア駆動のレイアウトも走りの楽しさに貢献しており、レスポンシブなモーターと相まって、街乗りでも軽快な走りを演出してくれました。
ユニークなエクステリアや、ダッシュパネル前面を覆う大型のモニター、そしてドアミラーの代わりにカメラを使ったサイドカメラミラーシステムなど、所有欲を満たしてくれる内外装も魅力的です。
その一方で、450万円からという価格は、シティーコミューターとしてはいささか高額だというのが偽らざるところ。
もちろん、さまざまなコストがかかっていることは重々承知していますが、EVが多くのユーザーに普及するにはハードルが高い、というのが現状なのかもしれません。
Writer: 小鮒康一
1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。
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