エンジンオイルを抜く際は、「上」「下」どちらが正解?
エンジン内部をきれいに洗浄するにはどうすればよい?
一方上抜きというのは、ポンプを使ってオイルを吸い出す手法となる。
エンジンオイルの量をチェックするためのオイルレベルゲージを抜き取り、その部分から細い管をオイルパンまで挿入。その後ポンプを作動させて、オイルを抜き取るという作業をおこなう。オイルをすべて抜きとったら、新品オイルを規定量エンジンに入れれば作業は終了となる。
●エンジンオイルの「上抜き」とは?
こちらはポンプを使ってオイルを抜くため、下抜きよりも作業時間が短縮できるというのが大きなメリットとなる。抜いたオイルも、専用のマシンを使っておこなう場合には、いったん透明の容器に入れて回収されるため、このとき汚れの程度などを確認しやすい。
ただし、レベルゲージ挿入部からオイルパンまでの通路は細く、エンジンによっては曲がったりしている場合もあるため、パイプを挿入する際には細心の注意が必要となる。
また、エンジンが冷えている状態では、オイルパンに溜まったオイルは抜けても、ヘッド部などのオイルは抜けきらない可能性があるため、ある程度エンジンが温まっているときに作業をする必要がある。
また上抜きの場合は、下抜きと比べて金属粉などが残りやすいというデメリットがある。正規ディーラーや信頼おけるメカニックに任せる場合は、まず下抜きの作業でも心配はないが、上抜きならばドレンボルトをなめてしまったり、オイルパンを損傷する恐れはない。
量販店などでは、後々のトラブルを回避する上でも、下抜きの作業は受け付けないというところもあるほどだ。
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新車でクルマを購入し、定期的にエンジンオイルを交換しているクルマに関してはまず必要ないが、中古車を購入した際など、前オーナーがまめにエンジンオイルを交換していたか不安な場合もある。
こうしたときに、エンジンオイルを交換する際にエンジン内部のクリーニングをするエンジンフラッシングというメニューがあるが、注意が必要だ。
この作業をおこなうと、エンジン内部の溜まった汚れをある程度は落とすことができる。これはまずエンジン内のオイルを抜き取った後、洗浄効果の高いフラッシングオイルを入れてエンジンをアイドリングし、その後フラッシングオイルを抜いて、エレメントを交換した後に新たにエンジンオイルを規定量入れるという手順でおこなう。
さらに、しっかりとエンジン内部を洗浄したい場合には、専用の洗浄用マシンと薬剤を利用して、エンジン内部をきれいにする方法もある。
たとえばビルシュタインのエンジンフラッシングマシンは、オイルフィルターポートから洗浄用薬剤を圧力を掛けてエンジン内部に送り、マシン内を通して循環させたのち、加熱した薬剤をエンジン内部にいれることでスラッジなどを分解。その後その薬剤をドレンからすべて吸い出すという作業を数回繰り返すことで、フラッシングオイルを使うときよりも効率良く、スラッジを除去するという方法だ。
ただし、こうしたエンジンフラッシングを旧いクルマでおこなうと、スラッジのおかげでなんとか保てていた現在の状態がかえって調子が悪くなるという可能性もあるので、オススメはしない。
また、スポーツカーなどのハイチューンなエンジンでは、純正オイル以外を使用すること自体がNGの場合もあるので、そうしたクルマでもエンジンフラッシングは控えるべきだ。
ついでに言うと新しいエンジンオイルを入れてからエンジンをかけて吹かして再度オイルを抜き新しいエンジンオイルを入れると中まで入れ替えが出来る。