はたして価格高騰を招くのか!? 2021年に25年ルールが適用される車5選

近年、中古車市場で話題なのが、1980年代から1990年代に販売された高性能な国産車の価格高騰です。その原因のひとつがアメリカの25年ルールといわれ、日本の中古車が大量にアメリカへ輸出されました。そこで、2021年に25年ルールに合致する日本車を5車種ピックアップして紹介します。

1996年に誕生したクルマを振り返る

 数年前から日本の中古車市場で異変となっているのが、1980年代から1990年代に販売された高性能モデルの価格高騰です。価格高騰が顕著なモデルで代表的な車種が日産「スカイラインGT-R」で、とくに1989年に発売されたR32型は、程度が良い個体なら新車の2倍近い価格で取り引きされています。

2021年に中古車価格が高騰するかもしれないクルマたち
2021年に中古車価格が高騰するかもしれないクルマたち

 この価格高騰の原因のひとつが、アメリカの通称「25年ルール」と呼ばれる、中古車の輸入に関する法律です。

 アメリカでは中古車の輸入が厳しく制限されており、安全基準や排出ガス規制がクリアできないと、多くの州で登録ができません。

 しかし、生産から25年を経過したクルマについてはクラシックカーとして登録でき、年間の走行距離などは制限されますが、安全基準や排出ガス規制の基準値が緩和され、州によっては右ハンドルのクルマでも登録できます。

 そのため、生産から25年以上経った国産ネオクラシックがアメリカで人気となり、価格高騰につながったというわけです。

 そこで、1996年に発売され2021年に25年経つクルマを、5車種ピックアップして紹介します。はたして価格高騰はあるのでしょうか。

●三菱「ギャラン VR-4」

シリーズ最後のモデルとなった高性能なセダンの「ギャランVR-4」
シリーズ最後のモデルとなった高性能なセダンの「ギャランVR-4」

 1969年に三菱は初代「コルトギャラン」を発売。スタイリッシュなデザインが注目されたセダンで、後に三菱の主力車種となりました。

 1987年に発売された6代目では高性能エンジンを搭載したフルタイム4WD車の「ギャランVR-4」が登場し、そのポジションを「ランサーエボリューション」が引き継ぐと、ギャランVR-4はハイグレードな高性能モデルとして7代目、8代目へと継承されます。

 そして1996年にデビューして最終型となった8代目に設定されたVR-4では、2.5リッターV型6気筒ツインターボエンジンを搭載。最高出力は280馬力に達し、トランスミッションは5速MTと4速ATが選べました。

 外観では逆スラントノーズによる力強いフロントフェイスが特徴です。

 また、ギャランVR-4は乗り心地や静粛性の向上や、ラグジュアリーな内装に仕立てられているなど、ハイパフォーマンスモデルというだけでなく、セダンとしてのクオリティにもこだわっています。

 しかし、販売は低迷していたため、2002年にVR-4の生産を終了し、2005年にはギャランの歴史が幕を閉じました。

 現在、中古車の物件数は少ないですが、価格は100万円未満と安価です。ギャランは2003年に、日本仕様とはまったく異なるモデルとして北米で販売されていましたが、高性能モデルはなく、VR-4はJDMとして人気となりそうです。

●トヨタ「マークII」

ラグジュアリーなモデルだけでなく高性能車も設定された「マークII」
ラグジュアリーなモデルだけでなく高性能車も設定された「マークII」

 長くトヨタ製ミドルクラスセダンの中核だった「マークII」は、北米でも「クレシーダ」の名で販売されました。

 しかし、ベーシックなセダンとしてとくに目立つ特徴もなく、1992年には北米での販売を終了しました。

 一方、日本では1996年に8代目が登場し、スポーティグレードの「マークII ツアラーV」には、最高出力280馬力を誇る2.5リッター直列6気筒ターボの1JZ-GTE型エンジンを搭載するなど、高性能FRセダンとして人気となります。

 同エンジンはA70型スープラや、Z30型ソアラにも搭載され、スポーティなパワーユニットとして高度なチューニングにも応えられる実力がありました。

 また、足まわりは7代目から踏襲された4輪ダブルウイッシュボーンを採用し、コーナリング性能も定評があります。

 こうした素性の良さからマークIIはチューニングのベースとなり、ノーマルの中古車は少ないのですが、アメリカでは日本のチューニングカー・ムーブメントも人気があるため、意外と注目されそうです。

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●日産「ステージア」

スポーティかつ使い勝手の良いステーションワゴンとして人気を博した初代「ステージア」
スポーティかつ使い勝手の良いステーションワゴンとして人気を博した初代「ステージア」

 1996年に発売された日産初代「ステージア」は、7代目にあたるR31型「スカイラインワゴン」の実質的な後継車として登場した、走りにもこだわったFRのステーションワゴンです。

 搭載されたエンジンは2リッター/2.5リッター自然吸気、2.5リッターターボの3種類が設定され、全機種とも直列6気筒を採用。

 なかでもトップグレードに搭載された2.5リッターターボの「RB25DET型」は当初の235馬力から最終的には280馬力までパワーアップし、俊足なステーションワゴンとして人気を博します。

 外観はロー&ワイドを強調したフォルムで、ステーションワゴンらしさあふれる伸びやかな直線基調のデザインを採用。荷室容量も大きく取られ、使い勝手も優れていました。

 また、オーテックジャパンが開発し、1997年に発売された「ステージア オーテックバージョン 260RS」は、R33型「スカイラインGT-R」のエンジン、ドライブトレイン、ブレーキ、サスペンションなどを使って高性能化されたモデルで、別名「GT-Rワゴン」とも呼ばれていました。

 ステージアは日本専売車でスカイラインのDNAを受け継いでいるとあって、JDM人気が高いアメリカでも注目されそうです。

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1件のコメント

  1. そのうち25年ルールは残るが燃費の問題で輸出できなかったりしてな。
    輸出できるのはしばらくプリウスばかりだったりして…。

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