マツダがFRの新型SUV開発中か!? ロータリーエンジン復活の道筋も見えた次世代戦略とは
マツダは2020年11月9日に2021年3月期の中間決算発表をおこない、マツダが「ラージ商品群」と呼ぶ次世代商品群の技術情報や、ロータリーエンジン技術を使ったマルチ電動化技術の情報を公開しました。公開された一連情報からは、FR(フロントエンジン・リア駆動)の新型SUVや、ロータリーエンジン復活モデルなどの登場が予想されますが、今後マツダはどのような戦略をとっていくのでしょうか。
ついに明らかになったマツダの新FR戦略
「次期『マツダ6』が直列6気筒エンジン搭載のFR(フロントエンジン・リア駆動)になる」。これまで、自動車技術系や経済系のメディアなどで、マツダ幹部はFRプラットフォームの存在を指摘していましたが、その姿がついに明らかになりました。
といっても、次期マツダ6のボディデザインが公開されたのではありません。2020年11月9日におこなわれた2021年3月期の中間決算発表のなかで、「中期経営計画見直し・主要施策」の一部としてラージ商品群の技術詳細として示されました。
「この先2年(2021から2022年)」に投資をおこない、さらにその先(2022年以降)への「足場固め」という表現をマツダは使います。
具体的には、3つのポイントがあります。
ひとつは、縦置きアーキテクチャー(車両骨格)です。
1980年代以降の「カペラ」後期、「アテンザ」3世代、そして現行「マツダ6」まで30年以上に渡り続いてきた、中型セダンのFF(フロントエンジン・フロント駆動)がついに終焉し、縦置きFRが復活します。
一方で、横置きアーキテクチャーは「マツダ3」「CX-30」「MX-30」など、マツダが次世代スモール商品群と呼ぶモデルへ専用化となります。
今回の発表では「次世代スモール商品群の多種多様なハードウエアの骨格開発は終了した」と説明しています。
次に、パワートレインです。
発表資料には、直列6気筒エンジンとして、ガソリン(SKYACTIV-G)、ディーゼル(SKYACTIV-D)、X(SKYACTIV-X)、と示されています。
また、添付された画像には、2基の縦置き6気筒エンジンの本体とそれぞれのシリンダーヘッド、さらに「縦置き4気筒とプラグインハイブリッド」というキャプションがあります。
中間決算発表後、記者との質疑応答のなかで、藤原清志副社長は「欧州CO2規定への対応で、ラージ商品群SUVでプラグインハイブリッドによる効果が大きい」と発言しています。
つまり、次期マツダ6の兄弟車として、FFの「CX-5」や「CX-8」とは違う、FRのSUVが存在することになります。それは「CX-50」と呼ばれる新モデルになるのでしょうか。
また、直列6気筒エンジンの排気側にはターボチャージャーがあることが確認できます。
1基がディーゼル(SKYACTIV-D)で、もう1基がガソリン(SKYACTIV-G)だと思われますが、SKYACTIV-Gについては、量産済みの直列4気筒2.5リッターターボのSKYACTIV-G 2.5Tと比べると、当然のことながらターボの搭載位置や排気系レイアウトに違いがあります。
資料には「高出力/低CO2ハードウエア」という記載がありますが、縦置きアーキテクチャー用の直列6気筒エンジンは、近年のプレミアム系ブランドでは必須といえる最高出力400馬力級まで高出力化される可能性が考えられます。
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