マツダがFRの新型SUV開発中か!? ロータリーエンジン復活の道筋も見えた次世代戦略とは
レンジエクステンダーとしてのロータリー復活も近い?
3点目は、電動化です。直列4気筒エンジンのプラグインハイブリッド車の存在が明らかになりました。さらに、ラージ商品群の縦置きアーキテクチャーでは、48Vマイルドハイブリッド車も登場します。
ここまでは、ラージ商品群についての電動化ですが、これらに加えて「マルチ電動化技術」という括りで復活するロータリーエンジンの外観が初めて公開されました。
これは、EVに対する発電機として活用する、いわゆるレンジエクステンダーとしての採用です。今回の発表で、EVについては、「MX-30」で量産済みの次世代スモール商品群対応のみが公開されており、ラージ商品群でのEV化については触れていません。
そのため、ロータリーエンジンによるレンジエクステンダーは当面、「MX-30」を筆頭とする次世代スモール商品群向けとなる可能性が高いと考えられます。
時計の針を少し戻すと、筆者(桃田健史)はマツダR&Dセンター横浜(横浜市神奈川区)で2013年、「デミオ」の車体後部にロータリーエンジンを搭載したレンジエクステンダーEVを試乗しましたが、ロータリーエンジンの作動音がとても静かだった印象があります。
あれから7年が経ち、ついに実用化が本格化しています。
もう1点、今回の公開情報で気になることがあります。それは、「エレキプラットフォーム」です。
2022年以降への投資において、CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリングなどの新サービス、電動化)時代の新しい価値競争への対応を挙げています。
そのなかで、「ロードスター」を使った、エレキプラットフォームイメージという図式があります。エンジンルーム付近にバッテリーがあり、車外の情報を把握するセンサーと、装置を稼働するためのアクチュエーターが描かれています。
それらが、電源幹線と通信幹線で繋がっています。
今回、エレキプラットフォームに関する詳細な説明はありませんでしたが、エレキといってもパワートレインの電動化とは別枠であり、通信やデータの枠組みでのエレキという解釈なのだと思います。
また2020年以降に、「次世代EV専用プラットフォーム開発」を挙げており、これがロードスターなどにどのような影響を与えるのか、今後のマツダの動向を注視していきたいと思います。
Writer: 桃田健史
ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
近著に「クルマをディーラーで買わなくなる日」(洋泉社)。
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