なぜ3位に急上昇? ルーミー販売増の要因はどこ? アルヴェルも追従なるか

日本自動車販売協会連合会(以下、自販連)は、2020年10月の登録車販売台数を公表。トヨタ「ヤリス」が2か月連続で首位に輝きました。その影に隠れトヨタ「ルーミー」が3位に急上昇しています。なぜ、ルーミーは急上昇したのでしょうか。

トヨタ勢強し! そのカラクリとは

 2020年11月6日、日本自動車販売協会連合会(以下、自販連)は、10月の登録車販売台数を公表。トヨタ「ヤリス」が2か月連続で首位に輝きました。
 
 その一方で、トヨタ「ルーミー」が前9月の7位(8084台)から10月では1万1487台を記録し、3位に急上昇したのです。ルーミーに何があったのでしょうか。

ルーミー/タンク統合で販売台数が急増! 今後はアルヴェルやノア三兄弟も追従なるか?
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 10月の登録車販売台数TOP3は、1位トヨタ「ヤリス」(1万8592台)、2位トヨタ「ライズ」(1万3256台)、3位トヨタ「ルーミー」(1万1487台)となっています。

 なお、9月のTOP3は1位トヨタ「ヤリス」(2万2066台)、2位トヨタ「カローラ」(1万3579台)、3位トヨタ「ライズ」(1万3077台)です。

 自販連の公表する販売台数では「ブランド通称名」として表記されており、ヤリスの場合は、ヤリス/ヤリスクロス/GRヤリスの合算。

 カローラではカローラ/カローラツーリング/カローラスポーツ/カローラアクシオ/カローラフィールダー/教習車」の合算となっています。

 そのなかで、3位に急上昇したルーミーは一見すると単体車種のように見えますが、実は2020年9月15日のマイナーチェンジで大きな変化があったのです。

 ルーミーは、ダイハツ「トール」のOEM車で、2016年11月9日にトールとルーミー/タンクを発売。同年11月21日にはスバル「ジャスティ」が追加され、4兄弟として展開されていました。

 なかでもルーミー/タンクは、コンパクトワゴンながら広々とした空間の「Living」と余裕の走りの「Driving」を掛け合わせた「1LD-CAR(ワン・エル・ディー・カー)」というコンセプトで、居住性の高い室内と1リッターエンジンによるキビキビとした走りが人気を博しました。

 2020年上半期(1月から6月)でも8位ルーミー(3万7622台)、14位タンク(2万8458台)と売れ行きは好調だったのです。

 しかし、前述のマイナーチェンジによってタンクはルーミーに統合される形でタンクの車名が廃止。

 その代わりに、新型ルーミーのグレード体系としてルーミーの外観を引き継ぎつつ迫力を増したデザインの「カスタムG/カスタムG-T」。タンクの外観を引き継いだ「X/G/G-T」という設定となり、面影を残しています。

 その結果、マイナーチェンジ後の販売では、これまでタンクに興味を持っていたユーザーがルーミーに集約された結果、10月の販売台数が増加し、3位に急上昇したのです。

 直近の販売動向について、販売店スタッフは次のように話します。

「タンクが廃止されるということで、『なぜ無くなるのか』『その後どうなるのか』といった問合せを頂きました。

 また、マイナーチェンジ後ではタンクに関心を持たれていたお客さまが自然とルーミーに流れています」

※ ※ ※

 2020年に入ってからのタンクは、1月13位(4893台)、2月12位(6159台)、3月13位(8261台)とコロナ前では好調な販売を見せており、コロナ禍とされる4月から8月では単月2500台から3000台と勢いを落としていました。
 
 また、販売店によると「タンクのオーダーストップは8月中頃」だったとしており、9月のTOP50から姿を消していた状況です。

 そして、10月にはタンクの約3000台にルーミーの約8000台を合わせた1万1487台を記録し、瞬く間にTOP3の仲間入りを果たしたのです。

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