なぜ速さを求める!? トヨタやホンダが「ECO」だけを意識しない事情とは
「走りの良さ」もイイけど…別の個性を主張するのはあのクルマ?
RAV4 PHVやミライは、走りを意識したモデルでしたが、別の方向性で個性を主張している電動車も存在します。
それは、ホンダが欧州や日本で販売する小型電気自動車「ホンダe」で、最近のクルマとはどこか違う懐かしさのあるデザインを採用しています。
内装においても、移動しているときから止まっているときの心地よさを重視。電気自動車ならではの先進装備を搭載しつつ、シンプルで心安らぐリビングのような空間を実現。
さらにインパネでは、左右にカメラミラーの映像用のモニターが配置され、中央部分には12.3インチのスクリーンを2画面並べた「ワイドスクリーン Honda CONNECT ディスプレー」が採用され、これまでのモニター操作とは違う感覚やアプリでヴァーチャルな魚が飼えるなど、遊び心も持ち合わせています。
ホンダeのボディサイズ全長3895mm×全幅1750mm×全高1510mmで4人乗りとなり、航続距離は、WLTCモードで283kmと昨今の電気自動車では短めな距離です。
開発責任者を務めた一瀬智史氏によると、新型ホンダeの開発にあたっては、「街なかベスト」というキーワードが重要だったといい、次のようにコメントします。
「都市間交通など、遠くへの移動は公共交通機関やハイブリッド車などに任せることによって、(電気自動車は)街なかでより使いやすいものになると考えました。
従来の電気自動車は、ガソリン車の性能を達成しようとして、大きくて重いバッテリーを搭載しています。街なかを考えたとき、本当にそれが合理的なのか、という疑問が湧いてきました。
適正なバッテリーサイズにすることによって、街なかベストのサイズや、人に優しいたたずまい、誰もがストレス無く運転できる取り回しなどが実現できます。
そこに新たな価値を付加することによって、ホンダeはより魅力的なものになると思い、開発してきました」
このように、これまでの電気自動車では1回の充電で走行出来る航続距離の長さが重要視されていましたが、ホンダeでは街中を中心に使う都市型コミューターという他社とは違う方向性を打ち出しました。
これにより、前述のデザインや内装も街中に溶け込むようなテイストに仕上げられているのです。
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速さや運転の楽しさを求めるRAV4 PHVやミライに対して、街中ベストで可愛らしさを追求したホンダeは、どちらも共通してこれまでのエコカーが持っていたイメージを覆す新たな個性を持つモデルなのです。
そして、その個性を主張するモデルが増えてきたということは、電動車とくにプラグインハイブリッド車、燃料電池車、電気自動車が一般化してきた現れなのかもしれません。
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