フェラーリ「ローマ」を箱根で試す! 2700万で堪能する跳ね馬の世界

フェラーリが新たなカスタマーを獲得すべく送り出したグラントゥーリズモ「ローマ」を、スーパーカー大王こと山崎元裕氏が箱根で試乗。数々のスーパーカーを運転してきた山崎氏にとってのファースト・コンタクトとなったローマはいかに?

「250」を彷彿とさせるプロポーションと新たなインテリア

 改めて考えてみれば、個人的にはこれがフェラーリのニューモデル、「ローマ」とのファースト・コンタクトだった。その第一印象は、シンプルな言葉で語るのならば「美しい」、いや「綺麗」と表現するのがベストだろう。

これまでのフェラーリから大きくデザインコンセプトを変えたことをより強く感じることができるインテリアのフィニッシュ
これまでのフェラーリから大きくデザインコンセプトを変えたことをより強く感じることができるインテリアのフィニッシュ

 フェラーリによれば、ローマは映画『ドルチェ・ヴィータ=甘い生活』へのオマージュであるともいうのだが、その美しさはあくまでもレトロフィットを意識したものではなく、現代の最新技術、すなわち最善のエアロダイナミクスを追求して実現されたものだ。

 これまでのフェラーリとは一線を画すフロントマスク、それを起点にAピラー部でルーフラインとウエストラインに分かれ、再びリアで力強いフェンダーを形づくり、リアへと流れるラインの構成は、あたかもひとつの固体を削り出したかのような美しさを演出している。

 その一方で、このローマのエクステリア・デザインを見ていると、かつてフェラーリが生産した「250シリーズ」の姿が、とくにリアセクションで次々にイメージされてくるのは興味深い。これこそが伝統の成せる業なのであり、フェラーリの過去を知るファンにはたまらない、別の意味での魅力となっているのはいうまでもないところだ。

 ローマが、そのデザインコンセプトを、これまでのフェラーリから大きく変えたことをより強く物語るという意味では、インテリアのフィニッシュも見逃せない。

 フロントシートはほぼ左右対称に独立したスペースとされ、インパネには16インチのHDスクリーンを採用。センターに8.4インチの縦型スクリーンをレイアウトするほか、助手席側にもあの「FF」で初採用された5.5インチスクリーンが装備されている。

 ステアリングホイールには静電容量式タッチパッドとスイッチが装備され、使い勝手を向上させているはずなのだが、その操作に慣れないうちは、スイッチを操作したレスポンスがやや小さいことと、ボイス・コミュニケーションの誤動作がやや気になった。

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