カッコイイ派? それともカワイイ派!? デザインが注目された軽自動車5選

デザインコンシャスなモデルと超高性能モデル

●ダイハツ「リーザ」

室内の居住性よりもデザインを優先したことが成功した「リーザ」
室内の居住性よりもデザインを優先したことが成功した「リーザ」

 1986年にデビューしたダイハツ「リーザ」は、軽スペシャリティカーとして開発されたモデルです。

 外観は全高を低くしたクーペスタイルとされ、リアシートの居住性や荷物の積載性よりもデザインを優先したことで、実用的な「ミラ」と比べてスタイリッシュなフォルムを実現。

 リーザは「プライベート感覚」や「ファッション感覚」といった感性を重視しことで、若い女性ユーザーを中心に支持されました。

 搭載されたエンジンは最高出力50馬力を発揮する550cc直列3気筒ターボと、32馬力の自然吸気が設定され、トランスミッションは2速AT、4速MT、5速MTが設定されていました。

 その後、軽自動車規格の変更により660ccエンジンが搭載され、ボディは前後バンパーの変更によって新規格に対応して販売を継続。1991年には、派生車のオープン2シーターモデル「リーザスパイダー」が追加され、大いに話題となります。

 リーザは一定のニーズがあったものの、シャシが旧規格のままだったことから1993年に生産を終了。1992年に実質的な後継車として「オプティ」が発売されました。

●三菱「ミニカ ダンガンZZ」

高性能モデルながらシックなデザインが印象的な「ミニカ ダンガンZZ」
高性能モデルながらシックなデザインが印象的な「ミニカ ダンガンZZ」

 1980年代になると、軽自動車にもターボ化の波が押し寄せ、高性能化が加速しました。そうした状況のなか、1987年にスズキ初代「アルトワークス」が発売され、パワー競争が激化。

 三菱は1989年に発売された6代目三菱「ミニカ」に、550cc時代の切り札として、高性能モデルの「ミニカ ダンガンZZ」をラインナップします。

 搭載されたエンジンは550cc直列3気筒SOHCの「3G81型」をベースに、1気筒あたり吸気3本、排気2本のバルブを持つ、量産自動車では世界初のDOHC5バルブ仕様と、DOHC5バルブターボ仕様を設定。

 ターボ仕様の最高出力は、ライバルのアルトワークスに並ぶ64馬力を発揮し、最高回転数は9000rpmを達成。

 外観は少々ヤンチャなイメージのアルトワークスに対してシックな印象ながら高性能さを随所でアピールし、控えめな形状のエアスクープやリアスポイラーに、3本出しマフラーが斬新でした。

 なお、1990年には660ccの5バルブ仕様に換装されたので、550ccのミニカ ダンガンZZは、わずか1年ほどの生産で終了。いまでは希少なモデルです。

※ ※ ※

 現行モデルの軽自動車は、性能や装備、安全性が飛躍的に向上して、多人数乗車を想定しなければ、ファーストカーとしても十分に機能します。

 一方で、価格が200万円に迫るモデルがあり、車重も1トン以上のモデルも存在するなど、軽自動車本来のコンセプトとは乖離してきたことも否めません。

 とはいえ、とくに安全面を軽視することはできないことから、軽量で安価なモデルを開発することは、今後ますます難しくなることでしょう。

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