「世界一厳しい道」で鍛えられたレクサス新型「IS」 パワー競争から脱却図る狙いとは?

下山のコースで分かった新型ISの実力とは

 ニュルブルクリンクでクルマを鍛えることに目覚めたトヨタは、豊田章男社長が自らハンドルを握ってニュルブルクリンクを走っている。

 その厳しさを体験した開発陣は、ニュルブルクリンクの厳しさを再現できるテストコースをトヨタ本社の近くにある下山町に作った。

 この下山プルービンググラウンド(下山PG)で本格的に鍛えられた最初のレクサスが、ビッグマイナーチェンジした新型ISなのである。

レクサス新型「IS」
レクサス新型「IS」

 新型ISはすでにプロトタイプを袖ヶ浦サーキットで試乗していているが、プラットフォーム的にいえば、従来のモノを熟成して使っている。

 このマイナーチェンジした新型ISは、通常のサーキットでは何万キロ走ってもわからない課題が、下山PGで鍛えることで如実に評価することができたという。その一例が、ホイールとハブキャリアを固定する方式をナットタイプからボルトタイプに変更したことである。

 自分でタイヤ交換しないと気づかないが、欧州車の多くはボルトタイプでホイールを取り付ける。

 ネットで調べるとあまり正しい情報が載っていないが、欧州車は日本よりもスピードが高く、実際の道もクルマへのストレスが大きい。それゆえに、ホイールとハブキャリアをしっかりと締め付けるために、ナットではなく、ボルトを使っているのである。

 欧州車の常識が日本車の非常識になっている一例だ。だが、レクサスはドイツ車など欧州のプレミアムなブランドをライバルとするので、まずはISからホイールの取り付け方式を変更した。

 ISのチーフエンジニアの小林さんは「ほかのサーキットやテストコースでは、あまり気にならないけど、ニュルブルクリンクや下山PGでは、ホイールとハブキャリアの結合が弱かったとすぐに分かります」と厳しいコースがクルマを鍛えるよき前例となったと話してくれた。

 実際に下山PGを新型ISで走ると、2リッターのISの走りが光っていた。ハイブリッドやV型6気筒よりもエンジンが軽いので、一番気持ちよく走ることができた。

 コースが厳しいので、パワーで圧倒するのではなく、シャシ性能のバランスでハンドリングが評価される。その意味ではベースモデルのISがベストなハンドリングで、自在に操れる操縦性が光っていた。

 グリップの高い路面を持つサーキットではタイヤの性能で操れるが、下山PGではクルマの基本性能がモノをいう。

 パワーや燃費競争ではなく、ハンドリングの愉しさでほかのプレミアムブランドとの差別化を図ろうとするレクサスの狙いを垣間見ることができた。

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3件のコメント

  1. うーん。
    新しいプラットフォームのクラウンをニュルで鍛えたと言っていなのに、マイナチェンジのグローバルISを下山で鍛える。ピンとこない。

  2. 2リッターのターボの諸元見ないと分からんけど特に頭が軽いとは思えんのだがな
    先代クラウンでも一番軽快なのがV6ロイヤルだった気もするが?
    初代クラウンマジェスタのようにNAで直6とV8を比較したら直6が軽いだろうがISなんて大して変わらんとちがうの?、なんかサーキットで毎度お約束のコメントと言うか?諸元の重量分布や燃料が満タン?とか今一伝わらないな。

  3. ま、所詮レクサスでしょ。ヨーロッパ勢のファンとしては、足回りも剛性も敵わないだろうね〜、何よりデザインが最悪!かっこ悪い、いつまでも変わらないカッコ悪さw

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