ミニバンでも走って楽しい! 走りが評価されたミニバン5選

1990年代以降、ファミリー層から絶大な人気を誇っているのがミニバンです。3列シートを採用して6人から8人の多人数乗車が可能で、多彩なシートアレンジによって大きな荷物も積むことができるなど、使い勝手の良さが光ります。そんなミニバンは、走りは二の次に思われますが、優れた走行性能を持つモデルも存在。そこで、走りが高く評価されたミニバンを、5車種ピックアップして紹介します。

ミニバンでも走りが秀逸なモデルを振り返る

 現在、ファミリー層を中心に高い人気を誇っているミニバンは、1990年代以降、一気に普及しました。広い室内空間に3列シートを装備し、6人から8人の多人数乗車が可能で、多彩なシートアレンジによって大きな荷物も積むことができます。

本格的な走りを手に入れたミニバンたち
本格的な走りを手に入れたミニバンたち

 この使い勝手の良さから、ミニバンはいまでは無くてはならない存在ですが、ドライビングプレジャーの点ではステーションワゴンやSUVに、一歩及びません。

 一方で、ミニバンのなかでも優れた走りが認められたモデルも存在。そこで、走りの評価が高いミニバンを、5車種ピックアップして紹介します。

●ホンダ「ストリーム」

居住性と走りを両立して開発された「ストリーム」
居住性と走りを両立して開発された「ストリーム」

 1994年に発売され、瞬く間にベストセラーミニバンとなったホンダ「オデッセイ」に続き、1996年には「ステップワゴン」が登場し、大ヒットを記録。

 そして、ホンダは次の一手として、より低床・低全高で5ナンバーサイズのミニバン「ストリーム」を、2000年に発売します。

 全長4550mm×全幅1695mm×全高1590(1605mm)のコンパクトなボディは、広い室内と取り回しの良さを両立し、発売からわずか10か月で10万台以上を販売する大ヒットを記録しました。

 エンジンはトップグレードに新開発の2リッター直列4気筒DOHC i-VTECを搭載。最高出力153馬力を発揮し、クラス初の5速ATが組み合わされ、優れた動力性能を誇りました。

 そして、ストリームは「2000年-2001年 日本カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞するなど、総合的に高い評価を得ます。

 ところが2003年にコンセプトやボディサイズがストリームと同様のモデル、トヨタ「ウィッシュ」が登場すると、一気にシェアを拡大。

 2006年に2代目ストリームが登場し、よりスポーティな外観と走りによって人気を盛り返しましたが、低全高、後部ヒンジドアのミニバンのニーズは低下していったため、徐々に販売は低迷。2014年に生産を終了し、実質的な後継車は「ジェイド」です。

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●スバル「トラヴィック」

欧州車の走りを手に入れたミニバンの「トラヴィック」
欧州車の走りを手に入れたミニバンの「トラヴィック」

 現在、国内市場では、3列シート車をラインナップしていないスバルですが、かつて販売していた3列シート車が「トラヴィック」です。

 トラヴィックは2001年に発売された後部ヒンジドアの7人乗りミニバンで、オペル「ザフィーラ」のOEM車として、生産はGMのタイ工場でおこなわれた輸入車です。

 搭載されたエンジンはGM製の2.2リッター直列4気筒DOHCで、後に1.8リッターを追加。全グレードともトランスミッションは4速ATで駆動方式はFFです。

 シートアレンジなどミニバンとしての機能は標準的なものでしたが、欧州車ならではの優れた足まわりによる、運動性能が高く評価されました。

 また、同時期にザフィーラも日本で販売されていましたが、トラヴィックのベースグレードの方が約100万円安く設定されていたことで、かなりお買い得でした。

 当時、大ヒットには至りませんでしたが、トラヴィックは走りが評価された稀有なミニバンです。

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●ホンダ「オデッセイ」

ミニバンの概念を覆した低さが特徴の3代目「オデッセイ」
ミニバンの概念を覆した低さが特徴の3代目「オデッセイ」

 1980年代は、1BOXバンをベースとしたワゴンが多人数乗車できるクルマの定番で、1990年代になると現在に通じるミニバンが登場しますが、FRのモデルが主流で、室内の広さは特筆するほどではありませんでした。

 そうしたなか1994年にホンダ初代オデッセイが誕生。乗用車のシャシをベースにFFを採用したことで、低床の広い室内を実現し、6人乗りもしくは7人乗りの3列シートのミニバンとして大ヒットを記録します。

 その後、1999年に初代からキープコンセプトとした2代目が発売され、2003年には大きくコンセプトを変えた3代目が登場。

 3代目オデッセイのボディサイズは、全長4765mm×全幅1800mm×全高1550mm(2WD)と、それまでにないほど全高が低く、前出の初代ストリームよりも40mm、2代目から80mmもダウンされました。

 一方で、フロア構造の工夫による底床化設計によって、室内高は2代目よりも5mm高く、広い室内空間は保たれています。

 低い全高によって立体駐車場に対応しただけでなく低重心化も実現し、4輪ダブルウイッシュボーンのサスペンションと相まって、高い運動性能を誇りました。

 2008年に登場した4代目も低全高を継承しましたが、現行モデルの5代目では再び大きくコンセプトが変わり、全高が高くなって後部ドアがスライド式となるなど、一般的なレイアウトのミニバンとして販売中で、近くマイナーチェンジがおこなわれる予定です。

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