ご先祖の面影まるでナシ! コンセプトがガラッと変わった車5選
なにもかも変わってしまったモデルたち
●スズキ「セルボ」
スズキは1971年、軽乗用車の「フロンテ」をベースに、日本初の本格的な軽スポーツカー「フロンテクーペ」を発売。
360ccで37馬力を発揮する高性能な2サイクル直列3気筒エンジンをリアに搭載していたフロンテクーペですが、軽自動車規格の変更と排出ガス規制の強化もあって、1976年に生産を終了します。
そして1977年にフロンテクーペのコンセプトを受け継ぎ、新規格に対応したRRのスポーツモデルとして初代「セルボ」が発売されました。
しかし、550ccの2サイクルエンジンを搭載していたことで、さらなる排出ガス規制の強化によって次世代モデルに移行します。
そして1982年に、初代「アルト」をベースに開発されFFとなった2代目セルボが登場。フロント部分はアルトに酷似していましたが、ボディはファストバックスタイルの2ドアクーペとされました。
2代目セルボは初代「アルト」をベースに開発されたため、フロント部分はアルトに酷似していましたが、ボディはファストバックスタイルの2ドアクーペとされました。
スタイリッシュなフォルムの軽スペシャリティカーとして、2代目セルボは個性的な存在でしたが、1988年に3代目へとモデルチェンジされると、クーペから全高の低いワゴンタイプのボディへと一新。さらに4代目ではオーソドックスなフォルムの2BOXスタイルを採用。
2006年に登場した5代目は、背の高いトールワゴンに近いスタイルの5ドアハッチバックとなり、2011年に生産を終了しました。
初代と最終モデルで、これほどまでにコンセプトが変わった国産車は、ほかではシビックくらいでしょうか。
●メルセデス・ベンツ「Aクラス」
1997年に発売された初代「Aクラス」は、メルセデス・ベンツのエントリーモデルとなるBセグメントサイズの5ドアハッチバックです。
メルセデス・ベンツ初のFF乗用車であり、同社のモデルのなかではもっとも小さいボディサイズで、ボディ形状はボンネット部分が極端に短く背の高いトールワゴンタイプを採用。
日本では1998年に発売されると、道路環境にマッチしたサイズに、トールワゴンとして使い勝手も優れ、車両価格が比較的安価ということもあり、一躍人気車となりました。
2005年に初代からキープコンセプトとした2代目にフルモデルチェンジし、初代と同じくBセグメントのトールワゴンとしてデビュー。
ところが、2012年に3代目へとフルモデルチェンジされたAクラスは、スポーティなフォルムを持つCセグメントの5ドアハッチバックに、すべてが一新されました。
2代目までのAクラスはエントリーモデルという位置付けでしたが、3代目では、アウディ「A3」やBMW「1シリーズ」のような、プレミアムなコンパクトカーにコンセプトが変化。超高性能なAMGモデルも追加されました。
2018年に登場した現行モデルの4代目では、シリーズ初の4ドアセダンが追加されるなど、もはやエントリーモデルといえども初代とは別モノのクルマです。
※ ※ ※
メーカーがコンセプトを変えることは、決して悪いことではありません。本文中に出てくるシビックやAクラスは、コンセプトを変えたことで大きな成功を収めています。
代を重ねると経済的な背景やトレンド、ニーズが変化しますので、それに合わせて柔軟に対応することも必要です。
一方で、日産「フェアレディZ」やポルシェ「911」のように、いま更コンセプトを変えられないクルマもありますが、それはそれで成功しているといえるのではないでしょうか。
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