劣化したエンジンオイルのせいでエンジン破損!? 汚れのチェック頻度はどのくらいが望ましい?

クルマのエンジンオイルは、定期的な交換が必要な消耗品です。また、エンジンオイルの量や状態は、月に1度の頻度を目安におこなうことが推奨される「日常点検」の点検項目でもあります。

エンジンオイルが劣化したまま乗り続けるとどうなる?

 クルマにまつわる消耗品にはさまざまなものがありますが、なかでもエンジンの状態を維持するのに欠かせないもののひとつとして「エンジンオイル」が挙げられます。

エンジンオイルは定期的な交換が必要な消耗品
エンジンオイルは定期的な交換が必要な消耗品

 エンジンオイルは、ディーラーで取り扱われる純正品のほか、カー用品店やガソリンスタンドなどでも販売されています。

 エンジンオイルの点検は、道路運送車両法第47条の2で定められている日常点検の項目にも含まれており、量が不足していないか、色や粘度なども確認して、劣化具合を見る必要があるとされているのです。

 国土交通省・自動車点検整備推進協議会による「平成29年度自動車点検整備推進運動調査報告書」の調査結果では、日常点検を「よくする」と回答した人はわずか7.2%で、「時々する」が23.6%、「まれにする」が29.5%、そして「まったくしない」が39.7%にのぼったといいます。

 法的な拘束はないものの、エンジンオイルの状態チェックも含め、日常点検を定期的におこなうことはドライバーの義務といえます。JAFによると、年間1万km程度の走行なら1か月に1回程度おこなうのが望ましいということです。

※ ※ ※

 もしエンジンオイルの交換を怠り、劣化したオイルのまま乗り続けてしまうと、いったいどうなってしまうのでしょうか。

 エンジン内部で不完全燃焼が起きた場合、カーボンスラッジと呼ばれる燃料の燃えカスが発生することがあります。

 エンジンオイルの汚れは、この燃えカスがエンジンオイルに溶け込むことや、金属の摩擦で生まれるゴミ、小さな金属の粒子などの混入が原因となっているのです。

 また劣化が進むと、エンジンオイルの粘度も変化していきます。

 劣化したエンジンオイルについて、ディーラーの整備士に話を聞くと「オイルが油膜を保持できなくなり、エンジンのパーツ同士が上手に潤滑されず、これが原因でピストンやシリンダーを痛めてしまうことが考えられます。最悪、焼き付きを起こしてエンジンブローする可能性もあります」と話します。

 それではここでクイズです。

 エンジンオイルの作用として、「潤滑」「防錆」「洗浄」「気密」「緩衝」を挙げることができますが、これら以外の作用として、次のうち正しいのはどれでしょうか。

【1】冷却

【2】不凍

【3】耐水

【4】消音

※ ※ ※

 正解は【1】の「冷却」です。

 エンジンが稼働している時、エンジンオイルはエンジンの内部を循環しています。その際、非常に高温になっているエンジン各部の熱を吸収する「冷却」という役割も担っているのです。

 熱を吸収したエンジンオイルは、オイルパンとよばれるパーツに戻ってきて、冷却後、再び循環します。

 また、競技用車両など、過酷な状況でつかわれるクルマの場合は、エンジンオイルの冷却性能を向上させるためにオイルクーラーというパーツが装着されることもあります。

※クイズの出典元:くるまマイスター検定

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