なぜディーゼル廃止相次ぐ? 世界で定番化もマツダ&三菱が無くすワケ

新型ディーゼル登場の可能性も少しはある?

 ディーゼル車市場縮小の流れは日本国内でも起こっています。

 2020年10月15日に三菱「エクリプスクロス」がマイナーチェンジされましたが、ディーゼル車がラインナップから消えてしまいました。そして、その代わりに導入されたのがPHEV仕様です。

 エクリプスクロスもまた、マツダ6と同様に欧州市場でも販売されているモデルです。ディーゼル車がラインナップから無くなった理由について、三菱は次のように話します。

「エクリプスクロスのようなクロスオーバーSUVでは、PHEVを中心とした電動車で環境対応を推進する考えです。

 一方、ピックアップやクロスカントリーSUVではディーゼルモデルは必要であり継続します」

ディーゼルの代わりに投入された三菱の「エクリプスクロスPHEV」
ディーゼルの代わりに投入された三菱の「エクリプスクロスPHEV」

 では、今後新たなディーゼルエンジン搭載モデルが登場する可能性はないのでしょうか。

 多くの国が2030年から2050年ころまでに内燃機関のみのクルマの新車販売を禁止するという方向性を打ち出しているため、長期的に見ればディーゼルエンジンが消滅するのは既定路線といえそうです。

 しかし、それ以前に関しては、新たなモデルが登場する可能性もまったくないわけではありません。

 そもそも、各社がディーゼルを廃止する直接的な理由は、各地域の環境規制に対応ができないからです。

 しかし、これまでの規制が原則としてモデルごとに課されるものであったのに対して、現在ではメーカー全体に課されるものへと変化しつつあります。2020年度より日本でもはじまった企業間平均燃費による規制、通称「CAFE規制」です。

 CAFE規制では、そのメーカーが新車販売したクルマの総数と、各モデルの有害物質排出量(≒燃費)から算出された数値が基準値以下であるかどうかで判断します。

 実際には複雑な計算式がありますが、2020年度基準ではおおよそ20km/Lを超えている必要があります。

 あくまで「企業間平均燃費」であるため、基準値を超えるクルマを多く販売していれば、基準値に満たないクルマも販売することが可能です。

 そのため、トヨタのようにハイブリッド車などを多く販売しているメーカーであれば、ラインナップの一部にディーゼルエンジン車や大排気量のスポーツカーなどを用意することも理論上は可能となります。

 実際に、トヨタでは2019年12月に新型車の「グランエース」を発売していますが、グランエースに搭載されるのは「ランドクルーザープラド」にも搭載される2.8リットルのディーゼルエンジンで、プラドと合わせても販売台数はトヨタ全体のごく一部であることから、設定することができたものと考えられます。

※ ※ ※

 CAFE規制の導入は、画一的なエコカーばかりをラインナップする必要がないという意味で、ユーザーにとってもメリットがあるといえます。

 しかし、マツダや三菱のようなメーカーでは、そもそもの販売台数が少なく、電動車の販売割合も少ないため、ディーゼルを販売している余裕がないといえそうです。

 やむを得ないことではありつつも、選択肢がせばまるのはユーザーにとってはデメリットであるといえるかもしれません。

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2件のコメント

  1. マツダは第2世代SKYACTIV-Dを開発中ではなかったですか?
    ラージモデルに直列6気筒のディーゼルを載せて2022年に出すと発表してませんでしたっけ。

  2. 世代交代の移行期にコロナが重なり、刷新が遅延気味ゆえラインナップに穴がある状態のマツダを、あたかも他社同様にディーゼルエンジンを大幅縮小する方針かのような印象を持たせる誘導記事。Mazda6はそもそも次期型が遅れてて現行型を予定以上に延命してる状況であり、FMCを控えてあまり大きな手は入れられない事情からラインナップ整理になっているだけ。

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