なぜディーゼル廃止相次ぐ? 世界で定番化もマツダ&三菱が無くすワケ

世界中の自動車メーカーはディーゼルエンジンを搭載するモデルを続々と登場させていますが、ここにきて国産メーカーのなかでもディーゼルエンジンに力を入れているマツダや三菱が相次いでディーゼルエンジンを搭載するモデルを廃止しているのです。その理由とはなんなのでしょうか。

なぜ世界で定番化したディーゼルエンジンが相次いで廃止される?

 かつて環境汚染のイメージがあったディーゼルエンジンですが、昨今ではクリーンディーゼルと称されるほど、低燃費なイメージとなりました。
 
 そのため、世界中の自動車メーカーはディーゼルエンジンを搭載するモデルを続々と登場させていますが、ここにきて国産メーカーのなかでもディーゼルエンジンに力を入れているマツダや三菱が相次いでディーゼルエンジンを搭載するモデルを廃止しているのです。その理由とはなんなのでしょうか。

全長5m級の3列SUV「CX-8」を余裕で動かすマツダの2.2リッターディーゼルエンジンは高評価を得ている
全長5m級の3列SUV「CX-8」を余裕で動かすマツダの2.2リッターディーゼルエンジンは高評価を得ている

 ガソリンエンジンと並んで、長くクルマのパワートレインのメインストリームとなってきたのがディーゼルエンジンです。

 ガソリン車に比べてトルクが太く、燃料となる軽油の価格がレギュラーやハイオクと比べて安価なためコストメリットもあることから、長距離を運転するユーザーには高い人気を誇っていました。

 ディーゼルエンジンは、トルクが太く燃料費が安いという特性から、トラックをはじめとする商用車に多く搭載されてきたという経緯があります。

 轟音とともに黒煙を巻き上げて走るその姿から、環境的ではないと誤解されてきた不遇のパワートレインでもありました。

 しかし、2012年にマツダがミドルサイズSUV「CX-5」のディーゼル車を発売して以降、各メーカーからディーゼル車が登場し、再び市民権を得るようになったのです。

 マツダではその後も主力モデルにディーゼル車を設定し、日本における「クリーンディーゼル」人気の立役者となりました。

 そんなマツダですが、2020年10月をもって欧州向けのマツダ6に設定されていたディーゼル車の生産を終了するという報道があったのです。

 元々、欧州はディーゼルエンジン優勢の市場でした。マツダは新車販売台数の約2割を欧州市場に依存することから、以前から欧州向けにディーゼル車を用意。

 欧州市場でディーゼルエンジンが主流となった要因は諸説ありますが、国家間を含めた長距離移動が多い点や、価格を重視する層が多いことなどが要因といわれています。

 しかし、2015年1月より、「ユーロ6」という厳しい排気ガス規制が敷かれることになります。

 これにより、ガソリン車と同等のクリーンさを持つディーゼルエンジンでなければ、新車販売することができなくなってしまいました。

 当然、欧州市場に注力する各社はよりエコなディーゼルエンジンの開発を進めたことで、いわゆる「クリーンディーゼル」が完成することになります。

 さらに、「ユーロ6」によって環境性能が引き上げられたことで、世界でもっとも排気ガス規制の厳しい日本の基準もクリアすることができるようになりました。

 つまり、欧州向けのクリーンディーゼル車が日本でもそのまま(正確には細かな法規対応のみで)販売できるようになったのです。

 ここ数年、日本でも「クリーンディーゼルエンジン搭載」のクルマが見られるようになったのには、こういう背景がありました。

 しかし、2015年にアメリカから巻き起こった、フォルクスワーゲンによる大規模な不正、通称「ディーゼルゲート事件」によって事態は一変します。

 これは、排気ガス測定検査の時のみ作動する不正なデバイスによって、実際の排気ガスよりも少ない値が計測されるようにしたというものです。

 この事件によって、欧州メーカーを中心に、自動車産業は大きな方針転換を余儀なくされます。

 自動車業界を専門とするコンサルタントは次のように話します。

「世界中の自動車メーカーは、いずれハイブリッド(HV)やプラグインハイブリッド(PHEV)、そして電気自動車(EV)といった電動車が主流になるということは想定していました。

 ただ、現実的に電動車が主流になる時期については各社の考えは定まっていません。

 石油資源の少ない日本は、世界でもっとも電動化が早い国でしたが、一方の欧州は当面は既存の技術のアップデート、例えば、『ダウンサイジングターボエンジン』、そして『クリーンディーゼルエンジン』の採用で当座はしのげるという見立てをしていました。

 しかし、『ディーゼルゲート事件』によって、クリーンディーゼルのイメージは悪化し、ダウンサイジングターボも劇的な燃費向上は難しくなってきたことから、今後厳格化される各国の環境規制へ対応するためには、電動化を進めるしかなくなってきたのです」

※ ※ ※

 実際に、2015年以降欧州の各メーカーから電動車が登場しています。

 また、フォルクスワーゲンやメルセデス・ベンツなど各社は電動車のためのサブブランドを展開しています。

 もちろん、ディーゼル車自体はまだ販売されていますが、今後さらに拡大していくとは考えにくい状況です。

 さらに電動車の価格が低下していくにつれて、今後ディーゼル車市場は縮小化していく傾向であることは間違いないでしょう。

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コメント

2件のコメント

  1. マツダは第2世代SKYACTIV-Dを開発中ではなかったですか?
    ラージモデルに直列6気筒のディーゼルを載せて2022年に出すと発表してませんでしたっけ。

  2. 世代交代の移行期にコロナが重なり、刷新が遅延気味ゆえラインナップに穴がある状態のマツダを、あたかも他社同様にディーゼルエンジンを大幅縮小する方針かのような印象を持たせる誘導記事。Mazda6はそもそも次期型が遅れてて現行型を予定以上に延命してる状況であり、FMCを控えてあまり大きな手は入れられない事情からラインナップ整理になっているだけ。