新車のマフラーが消えた!? 「見えないデザイン」の狙いは? 後付け品に変化も

近年、クルマを後ろから見た際に、マフラーがどこにあるかがわからないような車種が増えてきました。なぜ、従来リアビューで目立っていたマフラーの存在感を消すようになったのでしょうか。

新車からマフラーが消えている?

 近年発売される新車では、あえてマフラーが目立たないようにデザインされているものも少なくありません。
 
 エンジンを搭載しているクルマにとって必要不可欠なマフラーの存在感が薄れている背景にはどういった事情があるのでしょうか。

ヤリスのマフラーは見えているものの、覗き込まなければ見えないほど存在感が薄れている
ヤリスのマフラーは見えているものの、覗き込まなければ見えないほど存在感が薄れている

 内燃機関を搭載しているクルマにとって、なくてはならないパーツがマフラーです。

 そもそもマフラーは、エンジンから排出されたガスを外へと逃がすためのエキゾーストシステムのひとつであり、一般的に「マフラー」と呼ばれている部分は、エキゾーストシステムの末端にある部分を指し、消音やデザイン上のアクセントといった役割を担っています。

 もしマフラーがなければ、車種によっては消音機能が弱まり、排気音がダイレクトに響くことになります。

 国土交通省が定めた現在の規制では、車検時の「近接排気騒音」が「車両後部にエンジンを有するもの」(MR車やRR車)のクルマが95dB、それ以外のレイアウトのクルマが91dB以内でなければならないとされています。

 90dBというのは、電車の車内や飛行場の周辺に匹敵するほどの騒音であり、現在販売されているほとんどの新車は、90dBはおろか80dBを超えることも稀なようです。

 そんなマフラーですが、近年登場する新車では目立たない存在となっています。もちろん、機能上マフラーは必要不可欠なものであるため、マフラーそのものが無くなってしまっているわけではなく、外観上目立たないように配慮されているということです。

 例えば、2020年2月に登場したホンダ「フィット」では、のぞきこまないと見えないように隠されています。

 2020年の上半期新車販売台数ランキングトップであるトヨタ「ヤリス」も同様で、そのほか、軽自動車のほとんどはマフラーを隠したデザインを採用。マフラーが目立たなくなった背景にはどんな事情があるのでしょうか。

 マフラーを目立たないようにしているクルマには、いくつかの傾向があります。ひとつは「軽自動車もしくは小排気量車に多いこと」、もうひとつは「ハイブリッドカーに多いこと」です。

 軽自動車もしくは小排気量車に多いという点について、販売ラインナップに軽自動車が多いダイハツの担当者は次のように話します。

「(マフラーを隠しているのは)機能的な理由というよりもデザイン上の理由が大きい」と話します。

 軽自動車や小排気量車のメインターゲットは、日常の足としてクルマを活用するユーザーであり、デザイン上マフラーにこだわる人はそれほど多くないのかもしれません。

 また、大排気量車であれば排気ガスの量も多い分、マフラーをはじめとするエキゾーストシステムも比例して大きくなるため、隠すよりもデザインのなかにとりこんだほうがよいと考えられます。

 一方、大排気量エンジンに比べて排出するガスの量が少ない小排気量車であれば、マフラーを目立たなくすることによる機能上のデメリットはほとんどないといえます。

 ハイブリッドカーについても、デザイン上の観点が大きいようです。自動車メーカーの担当者は次のように話します。

「リアデザインによってクルマの印象は大きく変わりますが、マフラーを目立たなくすることでスッキリとしたシンプルな印象を与えることができます。

 エコでクリーンなイメージのハイブリッドカーには、そうしたデザインのほうがマッチしているといえます」

※ ※ ※

 このように、軽自動車や小排気量車、そしてハイブリッドカーのようにエコでクリーンなイメージが重要視されるモデルにとっては、マフラーはあえて目立たせる必要のない存在となっているようです。

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