新車のマフラーが消えた!? 「見えないデザイン」の狙いは? 後付け品に変化も
「若者のクルマ離れ」とマフラーの関係
一方、依然としてマフラーを重視するユーザーも少なくないようです。
とくにスポーツモデルや大排気量モデルは、先述のようにマフラーやエキゾーストシステムが大きくなる傾向があるため、機能的にもマフラーを目立たせる必要があります。
それが転じて、スポーツ性を強調しているモデルでは、純正でもマフラーが目立つようにデザインされています。
また、純正ではマフラーが目立たないモデルの場合、カスタムパーツとして後付けすることでマフラーを目立たせることができます。
この点について、自動車業界関係者は次のように話します。
「近年では、『モノとしてのクルマ』には関心が薄れてきているといわれており、マフラーのようなスペックの高さを強調するパーツを求める人は少なくなっています。
よく『若者のクルマ離れ』といわれますが、この本質は、若者が『モノとしてのクルマ』ということを意味しており、クルマそのものが縁遠くなったわけではありません。
むしろ、そのクルマを使ってどんな楽しいことができるか、という『コト』の部分が重視されています。この視点でいえば、マフラーは『モノとしてのクルマ』の代表格ともいえるパーツであり、現代の若者にとってはあまり興味のないものといえるかもしれません。
メーカー側もそれを理解しているからこそ、純正で目立つマフラーを付けることはせず、そこで浮いたコストを別の部分に活かす方向になっています。
とはいえ、あえてマフラーを目立たせたいというユーザーも一定数いることから、そうしたユーザーのために純正アフターパーツとして、マフラーを選択できるようメーカーも配慮しています。
実際に、各社とも純正アフターパーツブランドをサブブランドとして強化しており、マフラーのような車検に関わる重要なパーツでも安心して装着することができます。
今後、『モノとしてのクルマ』を強調するパーツは、サブブランドで売っていくという方向性が強化されていくでしょう」
※ ※ ※
マフラーが目立たなくなる背景には、小排気量車かつエコカーがトレンドとなっていることに加えて、「モノとしてのクルマ」を求めるユーザーが減っているという原因があるようです。
とはいえ、マフラーにポジティブなイメージを持っている人も多く、そうしたユーザーにはオプションとして選択できるような環境が整ってきています。