19万kmでも600万円で落札! ランチア「デルタHFインテグラーレ・エボ2」の人気は健在

デルタの限定モデルは、使用感ありでも人気!

 余談はさておき、ランチア・デルタ・HFインテグラーレ・エボルツィオーネIIの紹介を続けよう。

●1995 ランチア「デルタHFインテグラーレ・エボルツィオーネII ブルーラゴス」

実用車として使用されたことがよくわかるフロントマスク。飛び石はその証だ(C)Bonhams 2001-2020
実用車として使用されたことがよくわかるフロントマスク。飛び石はその証だ(C)Bonhams 2001-2020

 搭載されているエンジンは、直列4気筒16バルブの2リッター・ターボで、最高出力は燃料噴射システムの変更などによって、215psとなっている。ホイールサイズは、それまでの15インチから16インチへと拡大された。

 外観上の特徴は、冷却面を考慮したダクトの大さと、角度が調整できるルーフスポイラーの装備となる。

 全長4m足らずというコンパクトなボディに強力なエンジンを搭載し、WRCで勝利するためのクルマの最終モデル、それがランチア・デルタHFインテグラーレ・エボルツィオーネIIなのだ。

 そんなランチア・デルタHFインテグラーレ・エボルツィオーネIIが、Bonhamsオークションに登場した。1995年式で、走行距離は12万マイル弱(約19万km)。内装は運転席に若干のヘタリはみられるが、その他の部分は非常に程度がよく、機能的にも現状問題なしとなっている。

 しかしそれ以上に貴重なのは、このクルマが限定モデルである、ブルーラゴスということだ。メタリックブルーのボディカラーと、イエローのピンストライプは、世界で225台しか販売されなかったもの。それを示すプレートが、シフトノブ手前のセンターコンソールにセットされている。

 このオークションに出されるまでの2オーナーが実用車として使っていたことから、走行距離こそ多いが、きちんと整備されてきたことを示す書類も残されている。

 3万5000−4万5000ポンドのエスティメートに対して、落札価格は4万5000ポンド(約620万円)というものだった。たしかにコンクールコンディションのクルマと比べれば、使用感は否めない。しかしハイパワーエンジン+フルタイム4WDでのスポーティな走りを楽しみたい人にとっては、整備をしっかりしてきたこういったクルマのほうがありがたいはずだ。

 落札した人はおそらく、クルマで走ること、クルマを操ることが好きな、真のエンスージアストなのだろう。

【画像】19万km走破したランチア「デルタ」のディテールチェック!(18枚)

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