19万kmでも600万円で落札! ランチア「デルタHFインテグラーレ・エボ2」の人気は健在

WRCファンならずとも、ラリーカーとして抜群の人気を誇るランチア「デルタHFインテグラーレ」。このモデル末期の限定色バージョンの市場での人気はいかほどなのか、最新オークション結果から見てみよう。

闘うランチアの象徴だった「デルタHFインテグラーレ」

 ランチア「デルタHFインテグラーレ」といえば、WRC(世界ラリー選手権)での活躍が思い起こされる。

 1987年、参加できるマシンがそれまでのグループB規定からグループAへと変更になったWRCに、ランチアは「デルタHF4WD」で参戦。ドライバーのユハ・カンクネンがドライバーズタイトルを獲得し、マニファクチャラーチャンピオンシップもランチアのものとなった。

走行距離は19万kmだが、ランチア「デルタ」としては驚くような数字ではない。むしろ普段遣いされていたほうが、機関系は調子が良かったりする(C)Bonhams 2001-2020
走行距離は19万kmだが、ランチア「デルタ」としては驚くような数字ではない。むしろ普段遣いされていたほうが、機関系は調子が良かったりする(C)Bonhams 2001-2020

 その後WRCには、マツダが「ファミリア4WD」、アウディは「クーペクワトロ」で参戦していたが、トヨタが「セリカGT−Four」、三菱は「ギャランVR-4」、そしてその後継モデルである「ランサー・エボリューション」、スバルは「レガシィ」とその後に「インプレッサWRX」で参戦するようになると、ランチア・デルタも含めたこの4社がチャンピオンを争うようになった。

 そこで求められるのが、ベースとなるモデルのレベルアップとなる。グループAというのは、市販モデルからの改造範囲が狭く、ベースモデルの出来が、勝利するための第一条件となってくるからだ。

 そこでランチアは、デルタを進化させていった。

 当初のHF4WDから、ドアパネルと溶接したブリスターフェンダーを採用した「HFインテグラーレ」へ。さらにそれまでの8バルブから16バルブへとエンジンを変更した「HFインテグラーレ16v」。ブリスターフェンダーがリアドアパネルと一体化された「HFインテグラーレ16vエボルツィオーネ」。そしてモデル末期となる1993年に登場したのが、今回紹介するランチア「デルタHFインテグラーレ・エボルツィオーネII」である。

 ところが、このランチア・デルタHFインテグラーレ・エボルツィオーネIIは、じつはWRCには参戦していない。というのもランチアは、1993年限りでWRCから撤退してしまったからだ。その最終年度に、ランチアのドライバーを務めていたのが、カルロス・サインツ。現在F1ドライバーとして活躍している、カルロス・サインツJrの父親だった。

【画像】19万km走破したランチア「デルタ」のディテールチェック!(18枚)

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