ゴツすぎないところがカッコイイ! 都会的なクロカン4WD車5選
今はなきいすゞのスタイリッシュRVとは
●いすゞ2代目「ミュー」
いすゞは今でこそトラックメーカーですが、かつては数多くの名車と呼ばれる乗用車の生産をおこなっていました。
また、1981年にはピックアップトラックのラダーフレームにステーションワゴンタイプのボディを架装した本格的なクロカン車の「ロデオビッグホーン」を発売し、国内外で人気となります。
そして、1989年にビッグホーン系のコンポーネンツを使い、斬新かつスタイリッシュなショートホイールベースの2ドアRV、初代「ミュー」が誕生。
無骨なイメージだったクロカン車の常識を覆し、前後ブリスターフェンダーを採用するなど、RVブームと相まってヒットします。
1998年には、さらに都会的な印象のデザインとなった2代目ミューを発売。ボディは2ドアでレジントップと、後部ルーフのみが開閉可能なソフトトップを継承していました。
搭載されたエンジンは3リッター直列4気筒ディーゼルに加え、3.2リッターV型6気筒ガソリンを設定し、駆動方式は全車パートタイプ4WDです。
クロカン車としてはかなり洗練されたデザインの2代目ミューですが、RVブームは終焉しており、いすゞが乗用車の生産から撤退することも決まり、2002年に生産を終了。
現在は、アジア圏やオーストラリアで「ミューX」の名で、ミドルクラスSUVとしてスタイリッシュなクロカン車が受け継がれています。
●スズキ初代「エスクード」
1988年にデビューしたスズキのクロカン車「エスクード」は、コンパクトサイズながら直線基調のデザインが力強さを表現し、高く評価されました。
発売当初は2ドアのハードトップとソフトトップのみで、前後ブリスターフェンダーを採用するなど、一見すると都会的な印象ですが、ラダーフレームにボディを架装し、リアサスペンションにリジッドアクスルを採用するなど、中身は本格的なクロカン車と同等のメカニズムです。
また、1990年にはロングホイールベースの4ドアモデルの「エスクードノマド」を追加ラインナップし、使い勝手を向上。
搭載されたエンジンは当初は1.6リッター直列4気筒ガソリンのみでしたが、後に2リッター直列4気筒ディーゼルターボや、2リッターと2.5リッターのV型6気筒が設定されました。
初代エスクードは現在のSUVと同じく、シティユースをメインとするユーザーが多く、扁平率の低い大径タイヤを装着して、ローダウンするカスタムも流行るなど、異色のクロカン車でした。
その後代を重ね、現行モデルのエスクードは4代目にあたります。
※ ※ ※
今回、紹介した5車種はどれも個性的なデザインで、現在のSUVの前身ともいえるモデルばかりです。一方で、悪路走破性もキープしており、乗用車的なモノコックシャシの採用までは踏み切れていません。
一方で、RVブームの頃に本格的なクロカン車に乗っていても、一度も4WDで走らないまま売却したユーザーが多かったといいますから、当時としてもオーバースペックだったといえます。
そもそも、日本においてクロカン車が本来の性能を発揮するようなシチュエーションは、豪雪地帯以外ではほとんどありません。
それでも、クロカン車の持つ質実剛健なイメージは魅力的で、いまもファンを魅了しています。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。